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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 アジャスト』様愛知県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

発達障がい児童生徒に対するICT教材を用いた自己表現力支援活動

概要

NPO法人アジャストではICT教材を用いて自己表現スキルの習得支援活動を行います。
自分の考えや感情を適切に表現できない困り感を抱えている子どもに対して、個の特性に応じた適切な自己表現の練習指導を繰り返し続けていくことが大切です。ICT教材は個に適した教材を楽しく学ぶことができます。ICT教材のよさを取り入れた作文や発話などのコミュニケーション指導をすることで苦手さを軽減することをめざします。

中間報告
ICT教材を用いた学習の様子

中間報告

201709/21

NPO法人 アジャスト 中間報告(2017年2月1日 現在)

[活動に至る背景]

文部科学省の平成27年の調査で普通級に在籍する児童生徒中6.5パーセントの児童生徒が学習や生活面での困難があると報告されている。特に本活動の対象となる自己表現が苦手な児童生徒の支援は遅れることが多い。問題行動や学力不振に比べて、教育現場の中で問題視されにくいことが原因の一つだと考えられる。そのため、必要な指導が受けられず、支援が遅れてしまう。

自己表現は重要な生活スキルの一つである。自己表現が適切にできない場合にいろいろな困り感が生まれる。本活動では、これらの現状に対して、児童生徒の特徴に合わせたICT教材を開発する。また、開発したICT教材で毎日繰り返し学習することで自己表現スキルを身につけられるようにする。

[活動状況]

平成28年9月より愛知県を中心に自己表現力支援を受ける児童生徒を募集した。現在5名が参加している。指導者が児童生徒の自宅で直接指導する中で、児童生徒の困り感を把握している。また、保護者などから児童生徒の困り感を聞き出し、児童生徒の個性に合わせたICT教材を作成している。  

話型、作文、自己紹介などの自己表現スキルを習得するためのICT教材を作成し、児童生徒のiPadなどのICT機器にインストールする。また、保護者と子どもに教材の使い方を説明し、実践して直接指導する。インストールされた教材を使い、児童生徒は保護者と共に自己表現スキルの訓練をしている。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

・自己表現スキルの獲得:児童生徒が場面に応じて、適切に自己表現でき、自身の困り感を周囲に伝えることができるようになった。トレーニングではICT教材でそれぞれの場面を想定した課題を作成し、適切にスキルを使用することを繰り返し学習した。

・作文や日記などの表現スキルの補助:日々の日記や卒業文集などの作文にICT教材を使うことで、認知面で苦手な部分を補助することができた。例えば、漢字の想起が苦手な児童ではICT教材で文章作りをしてから、作文用紙に書くことで無理なく取り組むことができた。日記や作文の分量が増え、子どもに自信をつけることができた。

・保護者の子ども理解:この活動は親子で取り組む活動であり、児童生徒の訓練に保護者も参加してもらった。また、保護者は指導者と連携し、子どもの困り感と向き合い課題を設定することを行った。その結果、保護者が子どもに対する理解を深め、親子の絆を深めることができた。

・生きる力としての自己表現スキルを習得:発達障がいの苦手さは適したトレーニングによって軽減することはあるが、なくなることはない。ICT教材を使って自身の苦手さを補う活動を通して、自分の苦手さに向き合い、具体的な対策法を見つけることができた。

  • ICT教材を用いた学習の様子
  • 話型課題
  • 感情表現課題
終了報告
NPO法人 アジャスト 終了報告の写真

終了報告

201801/27

NPO法人 アジャスト 終了報告

[解決したかった現状と課題]

平成27年文部科学省の調査によると、普通級に在籍する児童生徒のうち、6.5パーセントの児童生徒が学習や生活面での困難があると報告されている。そのなかには、自分自身の困り感をうまく表現できない子ども達がいる。これらの子ども達に対しては、早期から個性に合わせた配慮が必要である。しかし、このような子ども達の支援は遅れることが多い。問題行動や学力不振に比べて教育現場の中で問題視されにくいことが原因の1つである。

[活動内容]

本活動は、児童生徒5名が参加した。指導者が児童生徒の困り感を把握し、保護者からも児童生徒の困り感を聞き出し、児童生徒の個性に合わせたICT教材を作成した。話型、作文、自己紹介などの自己表現スキルを習得するためのICT教材を作成して、児童生徒のiPadなどのICT機器にインストールした。インストールされた教材を使い、児童生徒は、保護者と共に自己表現スキルの訓練をすることができた。

[活動成果]

実施回数は、合計50回(児童生徒とその保護者がそれぞれ合計10回)となった。児童生徒は5名、保護者は10名参加した。大きな成果は、児童生徒が在籍する学校3校と連携体制がとれたことである。日記などの自己表現で改善が見られたため、学校に本活動が認められた。また、対応児童が自己の困り感を表現したポスターが、愛知県の障がい者週間ポスターに入選したことも大きな成果である。

[工夫したポイント]

児童生徒が修得した自己表現スキルを使う場を積極的に設定した。これにより、知っているだけでなく、使えるスキルとしての定着を図った。また、スモールステップ化された課題にし、児童生徒の自己肯定感を高めた。

[活動の反省点]

ICT教材は第三者と教材を容易に共有できる利点があるが、その利点を十分に活かしきれなかった。連携した3校の学校と支援方法を共有することができたが、iPadが学校にないなどの環境面での難しさもあり、教材活用の場を広げることができなかった。また、他の児童生徒にICT教材を使う場合に個に合わせた微調整が必要であるが、その微調整や授業で活用する教員のスキルが不足している場合があり、ICT研修などの必要性を感じた。

[今後の課題・展望]

この活動を広げることが難しかったのは、教材の有効性を発信する機会が少なかったことや、使うためには指導者のスキルが必要なことが原因と思われる。実際にICT研修を担当した学校では、スムーズに教材を導入することができている。そのため、本活動を社会に発信し、ICT教材が広く普及することを目的として指導者のICT研修などを実施していく。また、他の強化学習にもICT教材を活用していく。

  • ICT研修
  • 作成したICT課題の例
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