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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 スキマサポートセンター』様大阪府 / 助成金額:400,000円

目録贈呈の様子

活動名

加害者・加害者家族の子どもたちの社会的包摂に向けた 支援活動

概要

これまで社会的に排除されてきた加害者・加害者家族の子どもたちが、社会参加できるように支援を行うことを目的として、①加害者・加害者の子どもたちの問題を解決するために、子どもたちとその家庭に向けた個別支援、②加害者・加害者家族の子どもたちの「理解者」・「協力者」を増やしていくために、司法・心理・福祉・教育にかかわる専門職に対する研修活動・啓発活動を行います。

中間報告
刑事事件の説明及び心理・福祉の問題の対策

中間報告

201709/21

NPO法人スキマサポートセンター 中間報告(2017年2月15日 現在)

[活動に至る背景]

非行や犯罪に関して、加害者本人には矯正施設等の受け皿がある。被害者とその家族には平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し支援に広がりが見られる。しかし、加害者家族に対する支援は非常に少ない。加害者家族は心理的、法的、経済的、社会的問題に直面し、中には自死を選択する者もいる。加害者家族は犯罪者ではないが、社会的には犯罪者のような扱いを受け、好奇の目にさらされる。そしてその家族には子どもも含まれ、加害者である家族を喪失し、生活が一変する。こういった加害者家族の現状に支援が必要であると考え、活動に至る。

[活動状況]

電話とメールの相談を24時間体制で設けている。2か月毎に、加害者家族を集めたピアカウンセリング及び、臨床心理士、弁護士、社会福祉士などによる無料相談会を開催。必要に応じて個別面談、行政機関等への同行支援、家庭訪問、親と子どものカウンセリングも行っている。啓発活動としては学会発表を行っている。また、加害者家族の依頼や、加害者本人の希望により、本人に対するカウンセリング、就労支援や生活支援も適宜行っている。2016年9月から、新規相談者及び継続相談者は33家族であり、他にも、行政機関や支援者からの問い合わせも対応。ピアカウンセリング及び無料相談会は3回開催し、参加者数は延べ21名であった。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

加害者家族の個々の状況と問題に対して、心理・法・福祉の専門性によって支援を行っている。また必要に応じて、団体外の弁護士や各行政機関等の協力を得て支援している。その結果、ワンストップで相談、緊急性が高い事案であっても早急な対応ができている。

学会では司法福祉学会、中国の西南大学において開催されたアジア災害トラウマ研究会において発表した。このような啓発活動により、団体活動の周知及び、大学教授や法務教官などが新たな団体のメンバーとして加わり、より充実した支援体制となった。

加害者家族は生活や精神的、社会的な危機に陥る場合が非常に多い。そのため、まずは生活の安定が急務であり、転居や、生活保護等の申請などの支援によって生活基盤を整えることができた。また、9月からの相談で家族に子ども(未成年者)が11名含まれていたが、親の精神的な不調により十分な子育てができないこともあった。子どもには、不登校、不眠、夜尿、体をかきむしるなどの症状が現れた。これらの対応として、親への支援を行いつつ、併行して学校のスクールカウンセラーや地域福祉課などにつなげるように伴走型の支援ができた。

反省点として、電話相談など日本全国から相談が来るため、面談や同行支援が必要であっても物理的に不可能な場合が多々あった。その為、広域な支援者のネットワークを構築すること、支援方法を伝達すること、社会に加害者家族の理解を促すことが課題である。

  • 刑事事件の説明及び心理・福祉の問題の対策1
  • 刑事事件の説明及び心理・福祉の問題の対策2
  • 刑事事件の説明及び心理・福祉の問題の対策3
終了報告
NPO法人 スキマサポートセンター 終了報告の写真

終了報告

201712/10

NPO法人 スキマサポートセンター 終了報告

[解決したかった現状と課題]

加害者の家族は、様々な問題を抱えるが支援の対象とみられてこなかった。そして、加害者家族の子どもが抱える問題は多いが、子ども本人や家族自身で解決しなければならない。そこで本活動では、加害者家族及び、その家族に含まれる子どもたちを支援対象とした。個別支援を行い、司法・心理・福祉・教育などの専門分野において加害者・加害者家族の子どもたちの「理解者」「協力者」を増やしていくことが重要な課題であると考えた。

[活動内容]

①24時間対応の電話相談窓口の開設

②加害者家族のピアカウンセリング

③弁護士、臨床心理士、社会福祉士等の無料相談会

④主に教育・司法・矯正関係者を対象として、加害者・加害者家族の子どもへの支援をテーマとしたシンポジウムを実施した。また必要に応じて、個別カウンセリングや家庭訪問、支援機関への同行なども行った。

[活動成果]

①電話相談:52家族からの相談を受けた。

②ピアカウンセリング:6回実施し、延べ54名の参加があった。そのうち、子どもの参加者は延べ8名であった。

③無料相談会:6回実施し、延べ21回の個別相談を行った。

④シンポジウム:1回実施した。シンポジストとして、元学校長、児童相談所職員、弁護士等を招集した。教育・司法・矯正の専門家や関係者など50名の参加があった。

[工夫したポイント]

シンポジウム開催にあたり、大阪市内の公立学校約400校、弁護士事務所約100か所に周知した。また、複数の新聞にも掲載され、団体の周知や関係機関との連携の強化を図った。

[活動の反省点]

遠方からの相談も多く寄せられ、電話相談のみでは十分な対応ができていたとは言い難いケースがあった。また、加害者本人への支援を求める声も多いが、支援員の時間的制約などもあり、対応に苦慮した。個別的な相談を求める家族もいるが、相談場所の確保や支援員の配置、継続的な支援の提供などに課題が残る。

[今後の課題・展望]

非行・犯罪の発生件数に対して相談数はまだ少なく、問題を抱える家族の潜在数は多いと考えられる。そのため、さらなる団体の周知を行うこと、関係機関と連携をすることが課題と言える。十分な支援を行うためには各地に支援員を配置し、緊急的な問題であっても対応できるようにする必要がある。また、加害者本人に対しての支援をより充実させることは、家族の安全、安定に繋がるため充実させる必要もあると考えられる。

  • 犯罪加害者の家族の現状と支援
  • 加害者家族の子どもをいかに支援するか
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