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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Subsidized List

2020年度ドコモ市民活動団体助成事業選考について(選後評)

選考委員長 川北 秀人

はじめに

ドコモ市民活動団体助成事業は、将来の担い手である子どもたちの健やかな育ちを応援する活動に取り組む全国のNPOに対して、2003年から17年間で931団体に活動助成を行うとともに、団体と事務局とのコミュニケーションを深めてきました。 また、一昨年度より、児童を対象とした深刻な虐待事件が継続的に発生している状況を踏まえて、「児童虐待防止活動」を緊急的かつ重要なテーマとして設定した「特定課題」については、コロナ禍という状況の中で子どもへの虐待が増加するとの懸念が高まっていることからも、昨年に引き続き、同活動に取り組む団体に対して積極的な支援を行うこととしました。

応募状況

今年度は、2月10日から3月31日までの公募期間において、「子どもの健全な育成を支援する活動」に121団体から、「経済的困難を抱える子どもを支援する活動」に42団体から、合わせて163団体からご応募いただき、昨年度の応募件数(130件)に比べて25%増加しました。その背景として、深刻な課題に継続的に取り組む団体が増えたことや、今回から「申請書記入例」と「記入の手引き」を掲載したこと等が要因として考えられます。
なお、今年度の申請内容の特徴として、次の点が挙げられます。

  • 活動地域における子どもを取り巻く現状のニーズや課題の記載については、昨年度までに比べて、データに基づきニーズ等を具体的に把握している団体が増加した。
  • 一方で、活動地域が限定されているにも関わらず、地域の課題やニーズについて具体的に把握されておらず、一般的なデータによるニーズの記載や具体的な課題の把握に欠ける申請も見られ、前項の団体との差が顕著であった。
  • これまでほとんど応募がなかった社会福祉協議会や中間支援組織からも、団体の幅広いネットワークを活用し、活動団体との連携を通じて地域の支援力を向上する申請が複数あった。
  • 特定課題である「児童虐待防止活動」の応募件数は25件であり、一昨年にテーマ設定して以来、倍増している。(2018年:11件、2019年:17件、2020年:25件)

選考のプロセス

これらのご応募に対して、募集要項の選考のポイントに基づき、事務局による一次審査(書類)、web会議システムを活用した二次審査(面談)を経て選定された53団体からのご提案について、選考委員会において審議した結果、「子どもの健全な育成を支援する活動」18団体、「経済的困難を抱える子どもを支援する活動」10団体、「特定課題(児童虐待防止)の活動」15団体の合計43団体を選定するとともに、この中から活動成果の普及・拡大等が期待できる6団体を選出し、20%の増額助成を行うこととしました。
その結果、総額34,788,000円を助成することが決定しました。

2020年度の選考にあたって

選考に際しては、各団体からの提案が、中長期的なビジョンやミッションを実現するために、課題を抱える子どもたちや活動地域のニーズの変化に対して、3年間の活動を通じてどのように備えていこうとしているのか等について、募集要項の5つの選考のポイントと合わせて、次の点を確認しました。

  1. 1

    団体としてめざしている目標は、具体的かつ明確に設定されているか?

  2. 2

    子どもたちや地域の変化に対して、組織をどのように成長・進化させようとしているのか、具体的に説明しているか?

  3. 3

    対象者(受益者・当事者)や地域社会のニーズ把握に努め、優先すべき受益者を特定し、当事者に届くプログラムとなっているか?

  4. 4

    申請内容は、対象者(受益者・当事者)や地域社会にとって緊急性が高く早期に解決しなければならない取り組みか? 等

また、新型コロナウィルス感染症拡大の予防のための休校や外出自粛等により、児童虐待増加のリスクが高まっていることを踏まえ、特定課題である児童虐待防止活動については、当初、10団体程度の採択を予定していましたが、最終的に15団体を採択しました。
併せて、他のテーマについても、新型コロナウィルス感染症拡大により明らかとなった課題に対応する緊急性の高い活動については、積極的に採択しました。

次に、一昨年度から開始した増額助成金の使途については、19年度まで対象団体に委ねていましたが、今年度からは、提案された活動による成果の活用に資する目的から、申請された活動の「記録と発信」や担い手の「人材育成」を基本として、選考委員会において活用方法を提示することとしました。
具体的には、助成を受けた事業で得られた知見やノウハウを、活動地域や同じ分野で活動する他団体への展開を目的とした報告書の作成や報告会等による情報発信を積極的に実施するための費用に充当することにより、本活動がロールモデルとなることを期待するものです。
また、人材育成については、活動の担い手となるボランティア等への育成やそのための仕組みづくりを積極的に推進することにより、団体の成長につなげていただきたいと強く願っています。

最後に、惜しくも助成対象とならなかった団体のみなさんには、来年の応募に再度挑戦していただくことを願うとともに、助成対象となった団体の皆様には、従来に加えてさまざまな対応が求められるコロナ禍の状況下での活動となりますが、工夫や努力により、ご提案いただいた成果が実現されることを期待しています。

選考委員

  • 委員長 川北 秀人   IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 代表者
  • 委員  村木 厚子   津田塾大学客員教授
  • 委員  浪方 竹葉   株式会社NTTドコモCSR部長
  • 委員  加藤 薰    NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド(MCF) 理事長
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