受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第15回(2016年)
2016年10月21日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて第15回ドコモ・モバイル・サイエンス賞の授賞式を開催しました。
今回は、先端技術、基礎科学、社会科学の三部門で22件の応募があり、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・羽鳥光俊氏)での厳正かつ公平な審査の結果、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の三部門で3件・8名が優秀賞を受賞しました。三部門すべてで優秀賞が選出されたのは7年ぶりという非常に喜ばしい結果となりました。
いずれも、効率的で安心安全な社会に向け、情報通信・移動通信技術を発展させる画期的な研究成果あり、授賞式には、文部科学省 研究振興局長 小松弥生様、NTTドコモ代表取締役社長 吉澤和弘様をはじめ、多くのご来賓にご出席いただきました。
優秀賞モバイル・メディアを活用したICT漁業による持続可能な沿岸漁業の実現
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授和田 雅昭(ワダ マサアキ)氏
熊本大学 総合情報統括センター 教授戸田 真志(トダ マサシ)氏
北海道立総合研究機構 稚内水産試験場 主査佐野 稔(サノ ミノル)氏
授賞理由
水産資源の減少や魚価の低迷、経費の高騰により厳しい状況にある日本の沿岸漁業において、ICTの活用と漁業従事者の知見を融合して、持続的発展が可能となる基盤を構築した点が評価できる。海のアメダス(海洋環境観測システム)と海のレントゲン(漁船漁業支援のための資源管理)の開発および実装は、幅広い世代の漁業従事者の使用を念頭に、技術が現場に適切に適用された場合の有用性を示した応用研究として、貢献度は高いと判断できる。
今後、他の地域への展開や、幅広い産業への適用が期待されることから、社会的意義は極めて大きい。
受賞の言葉
ICTと漁業従事者の知見の融合により、日本の沿岸漁業の持続的発展が可能となる基盤の構築を、2004年から進めている。海のアメダス(海洋環境の可視化技術)と海のレントゲン(水産資源の可視化技術)の開発と社会実装の研究である。一緒にICT漁業に取り組んでくださる漁業従業者の皆さまの支援があってこそ、受賞の栄誉につながった。