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ドコモ・モバイル・サイエンス賞

移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業

Winner / Ceremony

第15回(2016年)

第15回ドコモ・モバイル・サイエンス賞 授賞式

2016年10月21日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて第15回ドコモ・モバイル・サイエンス賞の授賞式を開催しました。

今回は、先端技術、基礎科学、社会科学の三部門で22件の応募があり、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・羽鳥光俊氏)での厳正かつ公平な審査の結果、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の三部門で3件・8名が優秀賞を受賞しました。三部門すべてで優秀賞が選出されたのは7年ぶりという非常に喜ばしい結果となりました。

いずれも、効率的で安心安全な社会に向け、情報通信・移動通信技術を発展させる画期的な研究成果あり、授賞式には、文部科学省 研究振興局長 小松弥生様、NTTドコモ代表取締役社長 吉澤和弘様をはじめ、多くのご来賓にご出席いただきました。

先端技術部門の受賞記事です

優秀賞安全性を暗号学的に保証した次世代生体認証基盤技術の先駆的研究と実用化

【グループ代表】

日立製作所 研究開発グループ ユニットリーダ・主任研究員高橋 健太(タカハシ ケンタ)氏

産業技術総合研究所 情報技術研究部門 研究グループ長花岡 悟一郎(ハナオカ ゴイチロウ)氏

産業技術総合研究所 情報技術研究部門 研究員村上 隆夫(ムラカミ タカオ)氏

産業技術総合研究所 情報技術研究部門 研究員松田 隆宏(マツダ タカヒロ)氏

授賞理由

高橋氏らは、個人情報である生体情報の安全性を保証しつつ共通利用が可能な「公開型生体認証基盤(PBI:Public Biometrics Infrastructure)」のコンセプトを提案。次世代生体認証の基礎理論を構築し、世界初の実用化に成功した。

マイナンバーや医療情報等のネットワーク上でのサービス提供が期待される中で、安全性と簡易性を両立した生体認証を、オープン共通基盤として実現した意義は大きい。PBIは、本年2月に製品化され、複数の金融機関に導入が決定している。手ぶらで認証できる共通認証基盤の確立により、誰もが便利で安心安全に、金融サービス、行政・公共サービス等を受けることができる社会の実現が期待される。

受賞の言葉

 
日立製作所 研究開発グループ ユニットリーダ・主任研究員<グループ代表>高橋 健太氏

個人情報である生態情報の安全性を保証しつつ、共同利用が可能な「公開型生体認証基盤(PBI:Public Biometrics Infrastructure)」のコンセプトを提案。バイオメトリクスと暗号技術の融合により、次世代生体認証の基礎理論を構築した。PBIは、世界初の実用化に成功し、複数の金融機関で導入が決定している。

基礎科学部門の受賞記事です

優秀賞人体マルチフィジクス解析技術の開発と電磁界の安全性評価・医療応用への展開

名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授平田 晃正(ヒラタ アキマサ)氏

授賞理由

平田氏は、電磁界解析手法の高速化と、数値誤差を低減するアルゴリズムの開発により、これまで困難とされてきた高速かつ高精度な人体複合物理解析を実用的な時間内で処理することを可能とした。また、電磁界による電流刺激閾値、熱調整反応閾値の年齢依存性の推定など、安全性評価、医療応用の基礎となる複合的諸問題を解決した。その成果に基づき策定された電磁界安全基準は、世界数十億個の携帯無線端末に適用されるなど通信・電力統合化時代の電磁環境の構築に寄与した。また、脳機能診断、鬱治療などのオーダーメイド医療に寄与している点も評価できる。

今後も無線通信分野をはじめとする新たな電波利用が拡大する中、電磁界安全基準の策定や安全な無線通端末、医療機器等の開発への貢献が期待される。

受賞の言葉

 
名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授平田 晃正(ヒラタ アキマサ)氏

電磁界解析手法の高速化と、数値誤差低減のアルゴリズム開発により、人が電波を浴びたときにどのような現象が生じるかを短時間で解析することを可能にした。
その成果に基づき策定された電磁界安全基準は、世界数十億個の携帯無線端末に適用され、通信・電力統合化時代の電磁環境構築に寄与している。

社会科学部門の受賞記事です

優秀賞モバイル・メディアを活用したICT漁業による持続可能な沿岸漁業の実現

【グループ代表】

公立はこだて未来大学  システム情報科学部 教授和田 雅昭(ワダ マサアキ)氏

熊本大学 総合情報統括センター 教授戸田 真志(トダ マサシ)氏

北海道立総合研究機構 稚内水産試験場 主査佐野 稔(サノ ミノル)氏

授賞理由

水産資源の減少や魚価の低迷、経費の高騰により厳しい状況にある日本の沿岸漁業において、ICTの活用と漁業従事者の知見を融合して、持続的発展が可能となる基盤を構築した点が評価できる。海のアメダス(海洋環境観測システム)と海のレントゲン(漁船漁業支援のための資源管理)の開発および実装は、幅広い世代の漁業従事者の使用を念頭に、技術が現場に適切に適用された場合の有用性を示した応用研究として、貢献度は高いと判断できる。

今後、他の地域への展開や、幅広い産業への適用が期待されることから、社会的意義は極めて大きい。

受賞の言葉

和田氏、戸田氏
公立はこだて未来大学  システム情報科学部 教授和田 雅昭(ワダ マサアキ)氏

ICTと漁業従事者の知見の融合により、日本の沿岸漁業の持続的発展が可能となる基盤の構築を、2004年から進めている。海のアメダス(海洋環境の可視化技術)と海のレントゲン(水産資源の可視化技術)の開発と社会実装の研究である。一緒にICT漁業に取り組んでくださる漁業従業者の皆さまの支援があってこそ、受賞の栄誉につながった。

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