受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第16回(2017年)
2017年10月20日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて第16回ドコモ・モバイル・サイエンス賞の授賞式を開催しました。
先端技術、基礎科学、社会科学の三部門で22件の応募があり、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・羽鳥光俊氏)での厳正かつ公平な審査の結果、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の三部門で3名が優秀賞を受賞しました。
羽鳥委員長からは、「今後の情報通信の発展のみならず、異分野との共創をさらに推進し、社会的問題の解決にも寄与する価値ある業績が選ばれた」と講評がありました。
授賞式には、文部科学省 研究振興局長 関靖直様、NTTドコモ代表取締役社長 吉澤和弘様をはじめ、多くのご来賓にご出席いただきました。
優秀賞人と関係を構築してコミュニケーションするロボットの実現
慶應義塾大学 理工学部 教授今井 倫太(イマイ ミチタ)氏
授賞理由
今井氏は、人とロボットの関係性という心理的側面に着目し、人工知能アルゴリズムを用いたロボットを設計した。また、人とロボットが同じ対象に注意を向けコミュニケーションする、共同注意現象を実現するロボットの振る舞いについて、世界に先駆けて示した点が評価できる。
人とロボットの関係性構築というテーマが果たす役割は、今後、より重要性を増しつつある。人とロボットのインタラクション研究で得られた知見は、高齢者の遠隔支援等、現実社会における人同士の遠隔コミュニケーションを円滑にする取り組みにも有効と考えられる。ロボットが人間にとってどのような望ましい存在となり得るのかについては、本研究のようなアプローチが一つの示唆を提供すると期待できる。
受賞の言葉
「人とロボットとのコミュニケーション」というテーマに、25~26年にわたって取り組んできた。今回は、人とロボットが同じ対象に注意を向けてコミュニケーションする「共同注意現象」を実現するロボットのふるまいについて、世界に先駆けて示したことを評価していただいた。自動運転、IoT家電など、人間の生活が自律性の高いITに取り囲まれていくなか、ロボットと直接わかりあえるインタラクションはますます重要になると思う。