受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第22回(2023年)
このたび、「第22回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・羽鳥光俊氏)での厳正かつ公平な審査の結果「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の優秀賞の受賞者を決定しましたので発表いたします。
ドコモ・モバイル・サイエンス賞
移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業
このたび、「第22回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・羽鳥光俊氏)での厳正かつ公平な審査の結果「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の優秀賞の受賞者を決定しましたので発表いたします。
優秀賞「つながり」から読み解く社会的・経済的行動のメカニズム
授賞理由
RFIDセンサによって収集された社会ネットワークデータの解析およびそれを説明する理論の構築を行い、統計的に有意な二者関係を抽出する検定法を開発した。
この手法は汎用性が高く、対人関係に限らず動的ネットワークに広く応用可能である。
実例として、親密な取引関係にある銀行群を統計的検定で抽出することに成功した。また、プライバシーに配慮した集計データのみを用いて、人々の接触密度の変化をもたらすメカニズムを同定する手法も開発した。
統計的に有意な二者関係を抽出する試みは過去にもあったが、学校や職場のような常に関係性が変化する実社会の多くの場面では適用が難しかっただけに、動的ネットワークを対象とする本研究の価値・独創性は大きい。
感染症対策やSNS上の偽情報拡散の制御への適用のほか、「つながり」を通じて発現する様々な社会問題に今後広がりを持ちうる。産業・社会への更なる貢献、他の研究への波及効果に期待する。