受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第21回(2022年)
2022年10月21日(金)ANAインターコンチネンタルホテルにて、第21回ドコモ・モバイル・サイエンス賞優秀賞授賞式を開催しました。
ドコモ・モバイル・サイエンス賞は、情報通信・移動通信技術の発展と若手研究者の育成を目的とし、優れた研究成果・論文等の業績に対し「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の3部門で受賞者を選出します。今回は、新型コロナウィルス感染症の影響により、延期となっていた第19回、第20回の受賞者・推薦者の方々もお招きし開催いたしました。
授賞式には、文部科学省 研究振興局 神部 匡毅様、NTTドコモ代表取締役社長 井伊 基之様をはじめ、ご来賓の皆さまにもご出席いただきました。
優秀賞災害情報に関する研究と実践
授賞理由
関谷氏は、災害情報に関する課題、災害とメディア、コミュニケーションが関わる課題に関して、社会心理学・社会情報学の立場から社会調査に基づく実証的な研究を行っている。34篇の論文を基にまとめた著書『災害情報―東日本大震災からの教訓』は、主に、東日本大震災後の氏の研究をまとめたもので、災害情報に関連する課題の体系化を試みており、当該分野における現段階での優れた集成といえる。原子力災害についても、広域避難、風評被害、リスク・コミュニケーションなどの研究を実施している。
度々大地震の被害を受け、また気象災害も相次ぐ日本で、情報通信技術がいかに防災に貢献していくかは今後も課題であり続ける。関谷氏の研究は、今後の展望も含めて、そうした課題解決に寄与していくものと思われる。災害現場の声をきめ細かく拾い上げている点、公務を通じて防災対策・復興施策等へ貢献している点も評価できる。
受賞の言葉
この度は栄えある賞を頂戴し、大変光栄に存じます。災害時に情報が果たす役割が大きいことは今も昔も変わりありません。ただし、それら情報が有効なものとなるか、混乱をもたらすかは、それら情報を扱う人間にかかっています。情報が多くなればなるほど、社会と人々の心理への洞察を深めていかねばなりません。今回の受賞を励みに、今後も、災害時の情報と心理の研究を継続していきたいと思います。