受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第23回(2024年)
このたび、「第23回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・伊藤元重氏)における厳正かつ公平な審査の結果「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の優秀賞および社会科学部門の選考委員特別賞受賞者を決定しましたので発表いたします。
ドコモ・モバイル・サイエンス賞
移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業
このたび、「第23回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた研究業績の中から、選考委員会(選考委員長:東京大学名誉教授・伊藤元重氏)における厳正かつ公平な審査の結果「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の優秀賞および社会科学部門の選考委員特別賞受賞者を決定しましたので発表いたします。
優秀賞フェイクニュース現象に関する計算社会科学の研究
授賞理由
計算モデルとビッグデータ分析を用いて、人間の認知特性とプラットフォームの相互作用で意見の分極化と社会的分断が生じ、エコーチェンバーが発生する仕組みを明らかにした。
当該分野における数理的技法の導入の必要性が高いところ、メトリクスを整備し、エコーチェンバーを解決するための1つのアプローチを示した点で新規性・革新性が高いと評価できる。
ハイレベルな国際会議での発表実績、電気通信普及財団賞を初めとする多数の受賞など、国内外で高く評価されている。図書執筆や講演などの一般向け情報発信にも積極的であり、社会への貢献度も高いといえる。
選考委員特別賞認知的健康につながるコミュニケーション支援技術の開発
授賞理由
社会的交流が多い人や言語能力が高い人が、加齢に伴う認知機能低下や、認知症発症リスクが小さいことが知られているが、認知機能維持に役立つコミュニケーションの特徴、条件は明らかでなかった。
大武氏は、会話と認知機能の関係性という心理的側面に着目し、高齢者の認知症予防のために、加齢とともに低下しやすい認知機能を活用するルールを加えた会話支援手法を独自に考案した。また、生活の中で取り入れることができる技術の開発を目指し、当事者と共に利用評価を重ね、技術を改良してきた。
大武氏の研究は、喫緊の社会的課題である認知症に対する解決策を提示している点で、社会への貢献・将来的影響が期待される。最終的に優秀賞には選出されなかったものの、本研究は本年段階でも何らかの形で評価し、次の展開を期待したいとの意見があり、選考委員特別賞の授与を決定した。