活動報告Activity Report
活動報告
202503/07
2023年度(アジア諸国からの留学生):卒業後の進路と今後の抱負
- 奨学生一覧
ユーザーに価値を提供できる技術者として活躍したい
名前:金語晨さん
大学:筑波大学
国籍:中国
筑波大学システム情報工学研究群の修士2年生、金語晨(JIN YUCHEN)と申します。JEES・ドコモ留学生奨学金の受給者として採用していただき、誠にありがとうございました。修士課程の2年間で多くの新しい知識を学びました。特に機械学習に関する内容を深く学び、当初は何も知らない初心者でしたが、今では自分でモデルを組み立て、訓練できるようになりました。この経験を通じて、技術の奥深さや、自分の成長を実感することができました。単に技術的な知識を得るだけでなく、問題解決能力や論理的思考力も鍛えられました。これからは、学んだことを実践し、業界の最前線で技術を磨き続けていきたいと思います。
卒業後は、日本でソフトウェアエンジニアとして就職する予定です。IT業界において、これまで培った知識とスキルを活かし、さらなる成長を遂げたいと考えています。特に、データ分析の分野で、実際のプロダクト開発に貢献し、ユーザーに価値を提供できる技術者として活躍したいと考えています。また、日本のIT業界ではグローバル化が進んでおり、多様な国籍やバックグラウンドを持つエンジニアが活躍しています。私もこのような環境の中で、自身の強みを活かしつつ、チームと協力しながら成果を出せるエンジニアを目指します。加えて、今後は国際的なプロジェクトにも積極的に参加し、グローバルな視点を持った人材として成長していきたいと考えています。
JEES・ドコモ留学生奨学金の支援のおかげで、安心して学業に集中することができました。この奨学金がなければ、ここまで充実した留学生活を送ることは難しかったかもしれません。心から感謝申し上げます。
今後も努力を重ね、自分の成長を続けるとともに、社会に貢献できる技術者を目指して頑張っていきます。
UI/UX分野においてキャリアを築いていきたい
名前:施 鄺玲さん
大学:千葉大学
国籍:台湾
千葉大学での2年間の学びを通じて、今後のキャリアの方向性がより明確になった。この2年間、JEES・ドコモ留学生奨学金の支援を受け、生活面での負担が大きく軽減され、その分、研究および学習に専念することができた。
研究においては、HCI(Human-Computer Interaction)およびユーザー中心設計の理論と実践を深く学ぶ機会を得るとともに、実際のユーザー研究を通じて、これらの理論を現実世界の問題解決に応用する経験を積みました。特に、日本の飲食店におけるグループ注文システムのUXに焦点を当て、ユーザーインタビューやプロトタイプテストを実施し、実証的な研究を行いました。その結果、注文方法の違いがグループ内の意思決定プロセスや満足度に大きく影響を与えることが明らかになった。AI技術の発展が加速する中、人間とAIの円滑なコミュニケーションは、相互理解と進歩の鍵となると考えている。このような背景から、今後はUI/UX分野においてキャリアを築いていきたいと考えている。
また、日本での学びを通じて、人間とコンピュータの関係性だけでなく、文化的背景がユーザー体験や心理状態、集団でのインタラクションにも大きな影響を与えることを実感した。留学生として日本におけるユーザー研究を進める中で、台湾における研究と比較する機会も多くあり、その中で多くの示唆や課題が見えてきた。さらに、日本での研究活動では、言語の壁を乗り越えながら、日本人研究者や企業関係者と議論を重ねる機会を得た。異なる文化背景を持つユーザーの行動特性を理解することの重要性を実感し、より多角的な視点からUXデザインを考察する力が身についた。
今後は、ユーザーリサーチおよび異文化間の体験設計に関連する職種を志望し、多文化に関する知見や留学経験を生かしながら、より質の高いユーザー体験の提案を行っていきたい。特に、異文化間のUXの違いを考慮したプロダクト開発に携わることを目指している。まずはUXデザイナーとして実務経験を積み、その後、リサーチを活用しながらより包括的な視点でUX戦略を策定できる立場を目指したい。テクノロジーが進化し続ける時代においても、ユーザーにとって心地よく、親しみやすいデザインを提供できるよう努めていく所存である。
日本で学んだ技術を活かし、国際的なAI人材を目指す
名前:羅京さん
大学:慶應義塾大学
国籍:中国
私は慶應義塾大学大学院情報工学科に所属し、通信とAI技術の融合に関する研究に取り組んでいます。この間、JEES・ドコモ留学生奨学金のご支援をいただき、経済的な不安を抱えることなく、学業と研究に専念することができました。この場をお借りして、改めて深く感謝申し上げます。
研究テーマは、通信とAI技術を融合したフェデレーションラーニング(連合学習)に関するものです。研究の成果は、日本無線通信システム研究会(RCS)やIEEE Conference on Vehicular Technology(VTC)など、日本国内および国際学会で発表し、貴重な学術経験を積むことができました。これらの活動を通じて、専門知識を深めるだけでなく、研究者としての視野を広げ、発信力を高めることができたと実感しています。
修士課程修了後、私は家庭の事情と今後のキャリアの展望を考慮した結果、中国・北京の金融テクノロジー企業に就職することを決断しました。すでに内定をいただいており、日本で培った研究経験やプログラミングスキルを活かし、AI技術を活用したデータ分析・金融サービスの最適化に貢献していきたいと考えています。
日本での学びや経験を大切にしながら、今後も最新の技術動向を追い、研究を続けていきます。また、技術分野だけでなく、中日間の文化交流活動にも積極的に関与し、異文化理解を深めることで、両国の架け橋としての役割を果たしていきたいと考えています。特に、母国の若い世代が日本の技術や学術研究に関心を持ち、留学や共同研究を通じた交流を促進できるよう、自らの経験を活かして発信していくつもりです。
これまでの学びを礎とし、今後も自己成長を続けながら、国際的な視野を持つAI技術者として活躍することを目指します。そして、研究成果を社会に還元し、より多くの人々に貢献できるよう努力してまいります。
最後に、JEES・ドコモ留学生奨学金のご支援に心より感謝申し上げます。この奨学金のおかげで、充実した留学生活を送り、貴重な学術経験を積むことができました。日本で学んだ技術と精神を胸に刻み、これからも努力を続けてまいります。本当にありがとうございました。
サイバーセキュリティ分野の発展に貢献したい
名前:Aiman Syazwan Bin Abdul Razakさん
大学:横浜国立大学
国籍:マレーシア
横浜国立大学大学院環境情報学府の博士課程前期2年目のアイマン・シャズワンです。修了後はサイバーセキュリティ分野でのキャリアを築き、最終的にはマレーシアに戻り、この分野の発展に貢献したいと考えています。
現在はダークネット上の闇市場の第三者依存性を調査し、脅威インテリジェンスの観点から分析する研究に取り組んでいます。この研究を通じて、オランダのデルフト工科大学(TU Delft)に滞在し、国際的なトップ会議に向けた研究を進める機会を得ました。また、日本の警察庁で発表を行い、さらに13の違法物を販売する闇市場の閉鎖にも関与し、学術的な枠を超えて実社会にも影響を与える貴重な経験をしました。
研究を進める中で、技術的な知識を磨くだけでなく、多様な分野の専門家との協力や異文化間コミュニケーションの大切さも実感しました。JEES・ドコモ留学生奨学金の支援のおかげで、研究に専念できたことに心から感謝しています。
現在の専門は脅威インテリジェンスですが、マルウェア解析やペネトレーションテストにも関心があり、より幅広い視点で学びを深めたいと考えています。これまでの経験を活かし、サイバーセキュリティ分野で社会に貢献できるよう努めてまいります。
社会発展と人類の文明向上を目指したAIの進歩に貢献していきたい
名前:NGUYEN ANH QUANさん
大学:長岡技術科学大学
国籍:ベトナム
私はNGUYEN ANH QUANと申します。現在、長岡技術科学大学大学院の電気電子情報工学分野において、修士2年として研究に取り組んでおります。2024年は私にとって、大きな試練であると同時に、喜びに満ちた一年となりました。
私の就職活動は、研究がまだ十分に進んでいなかった2024年初頭に始まり、やや遅いスタートでした。しかし、その間も粘り強く取り組んだ結果、7月頃には3社から内定をいただくことができました。同時期には研究の良い成果も出始め、9月には新潟市で開催されたIEICE 信越支部大会にて研究成果を発表する機会を得ました。さらに現在は、指導教員の勧めもあり、これまでの研究成果を論文としてまとめ、ジャーナル論文に投稿を目指して執筆を進めているところです。
また、AIとプログラミングへの強い情熱のため、私はFPTソフトウェアジャパン株式会社の内定を承諾し、修了後はAIエンジニアとして勤務する予定です。昨今のAIの急速な発展を目の当たりにし、AIこそが世界のテクノロジーの未来を担うと確信しております。AIは生産コストの最適化や製品品質の向上による経済発展への貢献だけでなく、医療や教育など幅広い分野で重要な役割を果たし、人々にとってより便利で豊かな社会の実現に寄与すると考えています。これまで培ってきた知識やスキル、そして今後の実務を通じてさらに習得する知見を活かし、社会発展と人類の文明向上を目指したAIの進歩に貢献していきたいと願っています。
最後に、過去2年間にわたりJEES・ドコモ留学生奨学金をいただけたことは、私にとって大変幸運な出来事でした。奨学金のご支援のおかげで、金銭面の負担を軽減しながら、学業と希望する就職活動に専念することができました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。今後は、これまでいただいた支援に報いるべく、さらに努力を重ね、社会により多く貢献できる人材へと成長していきたいと考えております。
日本とベトナムをつなぐ架け橋として活躍することを目指す
名前:NGUYEN KHAC HOANGさん
大学:岐阜大学
国籍:ベトナム
私は現在、ロボットアーム型パワーアシスト装置の研究に取り組んでおり、この研究で得た専門知識や技術を活かして、卒業後は日本のIT分野でキャリアを築きたいと考えています。特にソフトウェア検証やシステム開発の分野で実務経験を積みながら、日本とベトナムをつなぐ架け橋として活躍することを目指しています。
卒業後の第一目標は、日本の企業でシステムエンジニアまたはテストエンジニアとして働き、強化学習や制御アルゴリズム開発、シミュレーションなどで培ったスキルを活かすことです。企業のプロジェクトに参加し実践的な経験を重ねることで専門知識を深めるとともに、日本の企業文化や働き方を学び、プロジェクト全体を把握しながらクライアントのニーズを適切に反映させる能力を身につけたいと考えています。
また、中長期的には日本での経験を基にベトナムに戻り、日越間の技術交流を推進する立場で貢献したいと考えています。具体的には、日本企業のベトナム進出を支援し、ベトナムの若い技術者たちに日本の高度な技術やプロジェクトマネジメント手法を伝えることで、両国の発展に寄与することを目指しています。そのような役割を担うことで、日本社会への恩返しを果たしたいと考えています。
これらの目標を持つに至った背景には、JEES・ドコモ留学生奨学金のご支援があります。この奨学金をいただいたことで、経済的負担が軽減され、学業と研究に集中することができました。また、日本での生活を通じて、多様な文化や価値観を持つ人々との交流の大切さを学びました。これらの経験は、将来の目標を明確にし、その実現に向けた行動力を育む原動力となっています。
改めまして、JEES・ドコモ留学生奨学金に心より感謝申し上げます。このご支援がなければ、現在の研究活動や将来のビジョンは実現し得なかったかもしれません。いただいたご恩を胸に、日本とベトナムの架け橋となるべく、これからも努力を惜しまず精進してまいります。
韓国社会のボトルネックを解決する役割を果たしたい
名前:KIM JUNG BINさん
大学:京都大学
国籍:韓国
私は2年間、 学習のための研究、勉強などの活動以外にも課外活動で日本の企業だけでなく、グローバル企業で多様なインターン活動およびビジネスミーティングを主導しました。今後、グローバル人材に生まれ変わるためには単純に専攻に対する知識だけでなく、多様な産業に直接接し、その中で問題を発見し、解決策を探すことが重要だと考えました。
これに伴い、多様な企業、投資銀行、戦略コンサルティング会社などでインターン活動とビジネスミーティング、通訳活動をしました。その中で、特に韓国のマムズタッチというファーストフードブランドの海外フランチャイズ進出プロジェクトに参加しました。プロジェクトの最初から最後まで参加し、日本進出を担当し、様々な利害関係者の中でビジネスミーティングを主導し、プロジェクトの成功に貢献しました。2023年、東京渋谷のZERO ONE BASEでのポップアップストアの開催及び進行まで共にし、結局、当該ブランドの日本フランチャイズの成功に貢献しました。
また、日本製鉄のUS Steel買収と関連し、グローバル鉄鋼産業に対する分析プロジェクト、韓国の消費財企業の中長期戦略プロジェクトに参加することで、マクロ的にグローバル市場、産業の流れを分析する能力を育てました。
このような多様なインターンおよび通訳などの課外活動を通じて、単純に自分自身の研究だけでなく、今後の社会活動のための自分の基盤を磨く経験をしたと思います。この2年間、研究課題と多様な戦略コンサルティング会社でのインターンなどの経験の中で、地域環境工学という専攻の専門性基盤で多様な価値を創り出すジェネラリストになろうとする私の未来ビジョンを持つようになりました。
卒業後、韓国に帰国し、環境工学およびエネルギーと関連した戦略コンサルタントとして活躍および社会全般的に前後方事業を持つ"現代自動車"の戦略部署で多様な新事業を企画し、新しい方向を提示しようとしています。環境工学に対する専門性をもとに、より実現可能な対応策を提示することで、今後の社会に資することができると考えます。
今後も、自身の価値をもっと高めることで、韓国社会のボトルネックを解決する役割を果たしたいと考えています。
日本社会に貢献できるスキルを磨いていきたい
名前:CHA SU BINさん
大学:同支社大学
国籍:韓国
私は2025年4月から、日本の企業でデータ分析や市場のニーズ把握に関わる業務に携わります。データを活用して顧客の行動を分析し、最適なサービスや製品を提供することが私の役割です。このような業務を通じて、日本の企業文化や働き方を深く理解するとともに、日本社会に貢献できるスキルを磨いていきます。
この経験をもとに、将来的には医療関係の仕事に携わりたいと考えています。医療分野においてもデータ分析のスキルは非常に重要であり、日本の企業や社会に大きく貢献できると確信しているからです。例えば、患者データの分析を通じて、より精度の高い診断や治療方針の決定が可能になります。また、病院の運営効率化や医療資源の適切な配分にもデータ分析が不可欠です。特に高齢化が進む日本では、医療の質と効率の向上が強く求められており、私のデータ分析の知識を活かせる場面が多くあると考えています。
さらに、韓国と日本の医療システムを比較分析することで、それぞれの強みを活かした協力関係を築くことができるかもしれません。私はこれまでの経験を通じて得た知見を、将来的には日韓両国の医療分野における協力関係の発展にも活かしていきたいと考えています。