[活動に至る背景]
宮城では震災以後、子どもたちを支援するために多くの団体が、学習支援、居場所支援、経済支援等に取り組んできました。しかし、震災から5年が経過した現在、多くの団体は資金面や人材面での課題に直面している。時間の経過とともに外部からの寄付や助成、人材も減少しているため、今後は地域の中で人材を確保・育成する必要があります。
そこで、共通の課題に取り組む複数団体が連携して若手人材を育成するプロジェクトを発足しました。
[活動状況]
9月、11月に複数の子ども支援団体と合同研修を実施しました。現場で活動するボランティアや拠点管理を任されている担当職員の課題等をヒアリングしました。当初の仮説通り、ボランティアコーディネーションや内部人材の育成にリソースを投下できていない実態が明らかになりました。また、並行して任意団体の発足に向けた準備会議も月2回程度実施し、現在はNPO法人TEDIC、NPO法人アスイク、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンの3団体を幹事とし人材育成を目的とした団体を設立予定しています。4月の任意団体設立に向けて規定や予算、活動計画などを策定中です。
[成果(アピールポイント含)と反省点]
■2017年度人材育成を目的とした任意団体を発足
主なアウトプットとしては任意団体「こども・若者ソーシャルワークMIYAGI(仮称)」を設立することが挙げられる。
当会は、貧困を含む困難を有する子ども・若者を支える支援者を養成し、また支援者間のネットワーク・コミュニティをつくることで、全ての子どもが当たり前に地域で生きられる社会を創造することを目的とし、2017年度から活動を開始する。
初年度の活動内容は大きく2点で、学生ボランティア確保のサポートとソーシャルワーカー育成プログラムを実施していく。
■2016年の振り返り
当初よりも計画を前倒しできた要因は幹事の選定によるところが大きい。選定前に類似案件の担当者にヒアリングを行い、幹事団体を決定するまでには内部で慎重な議論を重ねた。幹事団体の決定後も理念や価値観、育成したい人物像のすり合わせには多くの時間を要した。
また、3つの支援団体が、互いの研修制度や人的リソース、ボランティア募集・育成のノウハウなどを共有した点は大きな強みだと考えている。今後の課題としては中長期目標の設定や地域での展開、資金調達、事務局員の確保等があげられます。特に資金調達においては、今後助成金以外の財源を確保していくことが急務となる。