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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 トルシーダ』様愛知県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

外国につながりのある若者への学びと進路サポート事業

概要

親の都合で海を渡る子どもは少なくありません。日本にも多くの外国人が家族で生活しており、その様な状況の中、義務教育年齢を超えて来日した若者は教育制度の違いや日本語が壁となり日本で学び続けることができてません。この活動では日本語やその他の教科を学びながら、異文化の中で気持ちが不安定になる若者に寄り添う居場所づくりを行い、体験学習や地域行事への参加を通じて日本でどのように生きていくかを子どもたちと共に考え、サポートを行います。

中間報告
先輩の話を聞く会

中間報告

201709/21

NPO法人 トルシーダ 中間報告(2017年2月17日 現在)

[活動に至る背景]

中学校へ編入できる年齢を超えて来日する子どもが増加している。日本で勉強を続けるために高校へ進学するには高校受検という高いハードルがあり、そのために日本語、そして教科を学ぶことが必要となるが、民間の日本語学校は対象を18歳以上としていることが多く、費用も高額であり、しかも高校に入るための教科を学ぶことはできない。つまり、15歳を超えて来日した場合、学ぶ機会も場所もなく、保護者も本人も進学に関する情報を得られないのが現状だ。アイデンティティーに揺れのある時期で、年齢的にも社会的つながりも大切である。そんな学齢超過の子どもたちへ日本語を学ぶ機会を提供しながら進路サポートを行うことが急務となっている。

[活動状況]

週に4日、一日4時間の日本語と教科を学ぶための教室を開催している。保護者と本人に日本での進路や就労に関する情報を提供するため、「先輩の話を聞く会」を開催した。そこでは、高校や大学へ進学した8人の外国人の先輩を招き、進路をどうやって決めたか、学校でどんな勉強をしてどんな進路や就職先があるのかなど、具体的な話を聞くことができまた。また、仕事に就いた教室の卒業生や社会人の話を聞き、外国人が日本で就職することについて一緒に考えるワークショップを開催した。地域住民との交流のために高齢者の配食サービスに参加して会場設営や配膳などのボランティアや寒茶を摘んでお茶を作る体験もした。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

15歳以上の若者のための日本語教室を、1日4時間、週4日開催した。日本語習得状況に応じて2つのクラスに分けることで効率よく学習することができた。JLPT(日本語能力試験)N4を4人受検して3人合格した。不合格だった1人も不足はわずか4点だった。次回の試験でN3合格を目指して学習を続けている。

日本語教室から3人の若者が今年3月の高校受検を目ざすことになり、国数英3教科の試験対策及び作文面接指導を行っている。教室では折に触れ進学、就労について様々な情報を提供している。日本語の力を付けることと、自らの進路を考えることで、たくさんの若者が将来の見通しを持つことができた。

先輩の話を聞く会では保護者と学習者26人が参加、高校や大学へ進学した先輩8人に話をしてもらった。出身国もブラジル、ペルー、フィリピン、ネパール、中国と多岐にわたり、全日制/夜間定時制/昼間定時制高校や私立大学など様々な学校の話を聞くことができた。終了後のアンケートでは、進路情報がよくわかり、大変参考になったという意見が多かった。会の後にも先輩たちへ色々質問をする様子があちらこちらで見られた。

反省点は、これらの情報提供は、教室の学習者のみを対象に行っていて、ブラジル人学校等その他にも必要と思われるところに対象を広げられなかったことである。

  • 日本語教室の様子
  • 高校体験入学
  • 先輩の話を聞く会
終了報告
NPO法人 トルシーダ 終了報告の写真

終了報告

201802/10

NPO法人 トルシーダ 終了報告

[解決したかった現状と課題]

外国籍の若者が、中学校へ編入できる年齢を超えて(学齢超過)来日した場合、日本語の壁があるにも関わらず、居場所や日本語を学ぶ場所もないのが現状である。また、外国籍生徒の高校退学者数も増加している。彼らとその保護者も進路について必要な情報を持っておらず、身近なロールモデルも少ないため、進路や将来の見通しを持つことができずにいる。そのため、社会から排除された気持ちをもった若者がグループ化することが懸念されている。

[活動内容]

15歳以上の外国籍の若者を対象に、日本語と教科を毎日勉強できる日本語教室を開催した。体験学習や地域行事への参加を通じて日本人との交流や地域社会を知る機会をつくり、ロールモデルとなる先輩を招き、進路説明会を多言語で開催した。また、若者の親世代で、外国へ移住しその国で学び、外国と日本両国で活躍した人の経験談を聞いたり、職場体験等を通じて日本で就労するということについて考えた。

[活動成果]

豊田市や近隣の外国籍若者を対象に、火曜日から金曜日まで一日4時間、年間193日間の日本語教室を開催し、2016年度に21名、2017年度に27名が学んだ。進路説明会は、子どもと保護者あわせて26名が参加し、進学した8名の外国籍の先輩から体験談を聞いた。5名が高校に進学し、3名が日本語能力検定試験N4に合格した。職場体験には8名が参加し、高校受験や検定試験の手続き等きめ細かな支援を行った。

[工夫したポイント]

日本語学習だけにとどまらず、地域社会で活動する色々な団体と連携した体験活動を通じて地域社会と接点を持つことで、若者たちが自分たちも地域社会の一員であるという自覚を持てるように心がけた。

[活動の反省点]

外国籍の若者や保護者から多くの問い合わせを受けたものの、日本語のレベルや背景の差があり、一律な対応が困難であるため、希望者を全員受け入れられなかった。また、学習を始めたが、経済的な理由、家庭の事情等で、日本語が不十分なまま学習に参加できなくなるケースが散見され、進路説明会を多言語で行い、各方面へ案内した。しかし、日本での将来を見据えた進路指導がないブラジル人学校では、対象を広げられなかった。

[今後の課題・展望]

15歳以上の外国籍の若者の来日は、今後も増加すると思われるため、進学や就労など日本での進路の見通しが立てられるまでの継続したサポート体制づくりを行う。ハローワーク等、行政や地域企業にも働きかけ、職場見学や体験先を広げ、キャリア教育のさらなる充実を図る。また、出前講座等を企画、ブラジル人学校の生徒にも対象を広げられるように働きかけていきたい。ただし、これらを着実に進めるためには、指導者の養成と活動資金が課題である。

  • 8月に行った、先輩の話を聞く会
  • 教室での学習の様子(書初めで本年度の目標を書きました)
  • 教室での学習の様子
  • 高校体験入学の様子
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