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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 にわとりの会』様愛知県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

音の出る漢字カードの利用促進事業 ―紙のカードと漢字カードアプリの連動によるー

概要

現在、日本語指導が必要な外国人の子どもは3万人を超えていると言われています。彼らは日常会話には困っていませんが、学習に必要な言葉で困っており、この状態が長く続くと、学力が思うようにつかず、高校に進むことができない。この子たちが高校進学できるよう、「母語と日本語の音の出る漢字力一ド」を作成・配布してきましたが、より多くの子どもたちが使うことができるよう、この力ードをアプリ化し、漢字学習の応援を進めていきます。

中間報告
アプリの先頭場面

中間報告

201709/21

NPO法人 にわとりの会  中間報告(2017年1月26日 現在)

[活動に至る背景]

1990年に日系ブラジル人などを外国人労働者が来日したが、この子どもたちが漢字で表記の学習言語を身に付ける環境が整っておらず、2012年度、日本語指導が必要な外国人児童生徒(日本国籍保有者を含む)は33,030人。その高校進学率は中学校在籍人数の約30%で、きわめて低く、その原因は漢字の未習得だと考えられます。彼らは家庭生活で、抽象的な日本語や学習言語に触れることがありません。一方、彼らは家庭で母語を聞いています。それらの状況に対応した日本語学習教材があれば、彼らの学習が進むと考え、日本語と母語の音の出る漢字カードを制作し、2011年から頒布しています。この製品をアプリすれば、一段と多くの人が学習しやすいと考えました。

[活動状況]

1月末に1,2年用漢字カード257枚分(英語、タガログ語、ポルトガル語、スペイン語、北京語、広東語)を対応でアプリストアにリリースする予定で、6か国語でアプリの説明やキーワード選定をおこなっています。

このカードを使って学習したことが定着したかを確かめるための小テストも用意しました。2択なので、ストレスが少なく繰り返し学習が可能です。フィリピン人、ペルー人、日本語教育の指導者に試用してもらい、フィードバックを受け、改善中です。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

成果

外国人児童生徒は漢字習得が困難で、それが元で、学力不振になりやすい。そこで、それに対応する「母語と日本語の音の出る漢字カード(紙ベース)」を作ってきました。これを携帯端末でも学習できるようにとアプリ化を進めてきました。

テスト版が完成したが、まだ未公開です。そこで、テスト版をいろいろな立場の人に使ってもらった際の感想です。

〇紙の漢字カードを使用している学習者にアプリをも使用した人々。

(フィリピン人大人、ペルー人大人、小学2年生、小学4年生、5年生)

感想・・・「おもしろい、小テストがあるので覚えたかどうか確かめることができていい。手軽に漢字学習ができる。1,2年だけでなく3年生以上のアプリも作ってほしい。」

〇日本語指導者・・・「一度やる気をなくした子どもがアプリのおかげでまた漢字学習に取り組むようになった。」

〇日本人大人「スペイン語を学習している。語彙を増やすのにとても適した教材だ。」

課題

〇制作に時間がかかり、当初のスケジュールよりも1ヶ月ほど遅れが出ている。アプリができ次第、ネットや紙媒体で広報を行います。 

〇使用者が少なく、当初予想していた通りの学習効果が現れているか、データを集め分析していきます。

〇資金を集め、1,2年版だけでなく、3から6年生版までのアプリ制作のめどを立てたいと思います。

  • アプリの先頭場面
  • アプリ使用中の学習者 
  • アプリ途中の画面
  • アプリ小テストの画面
終了報告
NPO法人 にわとりの会 終了報告の写真

終了報告

201802/10

NPO法人 にわとりの会 終了報告

[解決したかった現状と課題]

にわとりの会は、設立当初から、外国人の子どもたちの学習言語力を高める活動を行ってきました。年々対象者は増えています。2016年度より、日本語指導が必要な児童生徒数は12%増加し、約3万人になっています。しかし、彼らに日本語を教える方法は旧態のままで、その高校進学率は低いままです。その主な原因は、教育漢字の未習得であると考え、その対応策として、日本語とその訳である外国語の音の出る漢字カードを作りました。日本で学習するために、漢字を覚え、漢字で書かれた学習言語を習得しなければ、本来の能力を発揮することができず、その自尊意識も著しく低下してしまいます。この状態が改善されなければ、彼らが壮年老年になったときに公的支援の対象者になりかねないと思います。それを防ぐために、早急な手立てが必要であると考えます。

[活動内容]

外国人の子どもたちは、母語である外国語を聞いて育っているので、それを活かした日本語学習教材があると、彼らの力を伸ばすことができます。しかし、このような教材はきわめて少ないのが現状です。この状況に弊会は、日本語と母語の音の出る漢字カードを制作し、頒布しています。しかし、音を出すための音声ペンが、高価なため、今ひとつ広がりません。ICTの発達した現代、日本語と外国語の音の出る漢字カードアプリを早急に作成し、多くの人たちが学習しやすい基盤整備をする必要があります。

[活動成果]

現在、特殊な印刷を施した紙と音声ペンで音を出している漢字カードをアプリにし、多くの人が手軽に使えるようにしました。学習が一段落したところで、簡単なテストができる仕組みも作りました。この漢字カードを使った人は、普通の漢字学習より、約3倍の早さで学習が進みます。さらに、アプリではいつでもどこでも5分ぐらいあれば、学習ができ、簡単なテストがあるため、4、5倍の速さで漢字学習が進んでいきました。日本語を全く知らないファリピン人女児6才は、このアプリを2016年10月頃から使って学習したところ、日本人の子どもの漢字学習に追いつき、2019年2月には、小学2年生程度の漢字の一部を読むことができるようになりました。

[工夫したポイント]

品質のよいアプリにし、ストアにアップすることに力を注いでいたため、広報が不十分になってしまいましたが、このアプリと弊会の漢字検定をホームページ上で、連動させる仕組みを作ることで、広報の方策を立て直したいと考えています。また、アプリの存在を紙のカードをすでに使っている団体に知らせていきます。今後も引き続き、各地の国際交流協会にチラシを配布し、アプリを広めていきます。さらに、Face bookなどで、アプリを使った指導方法を知らせ、その価値を広く知らせていきたいと思います。

[活動の反省点]

このアプリの存在を知らせる広報活動が不十分にもかかわらず、徐々に購入者が増えています。このアプリの潜在的ニーズは高く、中級・上級レベルの漢字学習アプリのリリースを待つ人が多いと感じます。現在、教育漢字1006字のうち、257文字分がアプリ化されています。今後、1006字の教育漢字すべてをアプリにしたいと思います。また、このアプリを使った学習の効果的を高めるために、弊会の漢字検定活動と連動させる仕組みを作りたいと考えています。この仕組みを日本国内外にネット上などで知らせ、利用者を増やしたいと切に思っています。さらに、現在6カ国語である対応言語を、10カ国語に増やしたいと考えています。

[今後の課題・展望]

品質のよいアプリにし、ストアにアップすることに力を注いでいたため、広報が不十分になってしまいました。また、このアプリと弊会の漢字検定をHP上で、連動させる仕組みを作ることで広報の方策を立て直したいと考えています。また、アプリの存在を紙のカードをすでに使っている団体に知らせていきます。今後も引き続き、各地の国際交流協会にチラシを配布し、アプリを広めていきます。さらに、Face bookなどで、アプリを使った指導方法を知らせ、その価値を広く知らせていきたいと思います。

  • 母語をメモして、漢字学習1
  • 母語をメモして、漢字学習2
  • 活動写真1
  • 活動写真2
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