[活動に至る背景]
DVは女性と子どもの心身を深く、傷つける社会問題である。たとえ子どもに直接身体的な暴力がなくても、それを目撃すること(面前DV)は子どもたちにとっても心理的虐待であり、心の回復には母子ともに長い時間がかかる。家庭内で暴力による問題解決を学んだ子どもたちは、学びなおしの機会がなければ、将来、地域社会へも深刻な影響を与える。DV被害を経験した子どもの心の回復や非暴力プログラムの提供は社会全体で至急に取り組むべき課題であるとの思いから、今回の本事業の実施を企画した。
[活動状況]
2016年9月~12月、プログラム検討会議、8回開催。 児童用・幼児用プログラム作成、プログラムについて神戸学院大講師の石田さんからアドバイスを頂いた。参加講師で、練習会を行った。チラシを作成し、各新聞社などにも広報を依頼、シングルマザーの会でもチラシを配布した。
実施について変更したこと。
小学生の親からの参加希望が多く、土曜日は勤務のため参加が難しかったため、2月~4月、日曜日の実施に変更した。2月(小学3年~6年)、参加者(母子6組、母6人、子ども8人、保育2人)
開催日(①2月12日②2月26日③3月5日④3月26日⑤4月2日)
[成果(アピールポイント含)と反省点]
1、母親からは、離婚したがDVの子どもへの影響を日常に実感しているので、ぜひ受講したいとの声が強かった。成果については、2月から講座実施なので、効果や感想は事業終了後となる。母子6組大人6人、子ども参加8人が参加予定。
2、講座は紙芝居やペープサートを使い、子どもが興味を失わないように工夫している。内容は、①安全と安心の感覚を知る。②いろんな暴力があることを知る。言葉も暴力になることに気づかせる。 ③親子でワークショップに参加し、日常生活の中でも練習することで、母子関係の改善に繋がる。④多様な家族のありかたを知る。⑤自尊感情を高めるワークの全5回で構成している。
暴力にさらされて育ち、なかなか自分の気持ちを伝えることが苦手な子どもたちが、気持ちを言葉で伝えるスキル、暴力以外の問題解決の方法を身につけることができる。母子関係を改善し、子どもも生きやすくなる。このような機会をDVを経験したすべての子どもに提供したい。
反省点
①新聞に掲載してもらっても、母子家庭の多くが新聞を購読していないため、情報提供が非常に難しい。スマホ対応するなど、今後は広報の手段の見直しが必要だと思っている。
②シングルマザーの多くが経済的に困窮し、土日も働いており、講座の必要性を感じているが参加しにくいことがわかり、今後の課題である。