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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 女性と子ども支援センターウィメンズネット・ こうべ』様兵庫県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

DV被害母子の心の回復と非暴力教育プログラム作成及び 実施事業

概要

DVは女性の心身を深く傷つける社会問題であると同時に、子どもの心身の発達にも大きな影響を与えるていきます。子ども自身が暴力を受けることもあるが、たとえ子どもに直接身体的な暴力がなくても、それを目撃すること(面前DV)は子どもたちにとっても心理的虐待であり、心の回復には母子ともに長い時間がかかります。DV家庭で、暴力による問題解決を学んだ子どもたちに、新たな学びがなければ、暴力の連鎖など、将来、地域社会へも深刻な影響を与えることとなります。DV被害を経験した子どもの心の回復や非暴力プログラムの提供は社会全体で喫緊に取り組むべき課題と考えています。
DV母子支援の取り組みの経験を活かし、母親と子どもの心の回復と非暴力のための教育プログラムを作成し実践していきます。

中間報告

中間報告

201709/21

NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ 中間報告(2017年2月10日 現在)

[活動に至る背景]

DVは女性と子どもの心身を深く、傷つける社会問題である。たとえ子どもに直接身体的な暴力がなくても、それを目撃すること(面前DV)は子どもたちにとっても心理的虐待であり、心の回復には母子ともに長い時間がかかる。家庭内で暴力による問題解決を学んだ子どもたちは、学びなおしの機会がなければ、将来、地域社会へも深刻な影響を与える。DV被害を経験した子どもの心の回復や非暴力プログラムの提供は社会全体で至急に取り組むべき課題であるとの思いから、今回の本事業の実施を企画した。

[活動状況]

2016年9月~12月、プログラム検討会議、8回開催。 児童用・幼児用プログラム作成、プログラムについて神戸学院大講師の石田さんからアドバイスを頂いた。参加講師で、練習会を行った。チラシを作成し、各新聞社などにも広報を依頼、シングルマザーの会でもチラシを配布した。

実施について変更したこと。

小学生の親からの参加希望が多く、土曜日は勤務のため参加が難しかったため、2月~4月、日曜日の実施に変更した。2月(小学3年~6年)、参加者(母子6組、母6人、子ども8人、保育2人)

開催日(①2月12日②2月26日③3月5日④3月26日⑤4月2日)

[成果(アピールポイント含)と反省点]

1、母親からは、離婚したがDVの子どもへの影響を日常に実感しているので、ぜひ受講したいとの声が強かった。成果については、2月から講座実施なので、効果や感想は事業終了後となる。母子6組大人6人、子ども参加8人が参加予定。

2、講座は紙芝居やペープサートを使い、子どもが興味を失わないように工夫している。内容は、①安全と安心の感覚を知る。②いろんな暴力があることを知る。言葉も暴力になることに気づかせる。 ③親子でワークショップに参加し、日常生活の中でも練習することで、母子関係の改善に繋がる。④多様な家族のありかたを知る。⑤自尊感情を高めるワークの全5回で構成している。

暴力にさらされて育ち、なかなか自分の気持ちを伝えることが苦手な子どもたちが、気持ちを言葉で伝えるスキル、暴力以外の問題解決の方法を身につけることができる。母子関係を改善し、子どもも生きやすくなる。このような機会をDVを経験したすべての子どもに提供したい。

反省点

①新聞に掲載してもらっても、母子家庭の多くが新聞を購読していないため、情報提供が非常に難しい。スマホ対応するなど、今後は広報の手段の見直しが必要だと思っている。

②シングルマザーの多くが経済的に困窮し、土日も働いており、講座の必要性を感じているが参加しにくいことがわかり、今後の課題である。

終了報告
NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ 終了報告の写真

終了報告

201802/10

NPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべ 終了報告

[解決したかった現状と課題]

DVは、女性の心身を深く傷つける社会問題である。たとえ、子どもに直接身体的な暴力がなくても、それを目撃すること(面前DV)は、子どもたちにとっても心理的虐待であり、心の回復には、母子ともに長い時間がかかる。子どもたちに、新たな学びがなければ、暴力の連鎖など、将来、地域社会にも深刻な影響を与える。DV被害を経験した子どもの心の回復や非暴力プログラムの提供は、社会全体で至急に取り組むべき課題である。

[活動内容]

受講者の安心や自己尊重を高め、非暴力を学ぶ母子並行プログラムを開発し、DV被害を受けた母子を対象に実施する。具体的には小学低学年と幼児を対象に、全5回のワークショップを2クール開催する。母子がともに同じテーマを学ぶことで、よりよい母子関係の構築を促進し、児童虐待を防止する。このようなプログラムが各地で広がることは、地域社会にも安心と希望を提供していけると考えている。

[活動成果]

1月と5月から、全5回を2クールで実施した。参加は、合計で大人11人と子ども11人。母親自身は、「子どもとの関係を見直す機会になった」「自分自身を客観視できるようになった」とのこと。子どもは「人の話をちゃんと聞くようになった」「感情表現を一切できない子が、気持ちを口にできるようになった」等と、母子間の言葉によるキャッチボールが増え、子どもへの接し方を学び、母子のコミュニケーション能力が相互に向上した。

[工夫したポイント]

毎回、父親と同居していない人の集まりであること、無理に話す必要はないこと、いつでも休めることを伝え、丁寧に見守り、場の安心と尊重を大切にした。ペープサート(紙人形劇)を使用し、気持ちを表現しやすいようにした。

[活動の反省点]

①シングルマザーの場合、問題は継続して講座に参加することが難しいことであった。月~土曜まで働いて生活を支えており、日曜日は家事をこなさなくてはならない。心理的ケアの必要性を感じても、その時間がとれない。また、子どももたまの日曜日はどこかへ遊びに行きたくて継続した参加が難しいのが実情であった。

②ホームページや新聞で広報したが、新聞を取らない人が多いせいか、参加者を集めることに苦労した。

[今後の課題・展望]

DV加害者の多くが、自身も子ども時代に虐待を(DVも含めて)経験していると言われている。そのような虐待の連鎖を防止するためにも、DVを経験した子どもたちへの心のケアが不可欠であると感じており、プログラムの効果は、今回、実感できたのだが、予算不足だけでなく、母子に参加してもらうことの困難さがある。学校や児童相談所等と連携し、各地でこのようなプログラムの実践が広がって欲しい。

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