[解決したかった現状と課題]
国が定めた発達障がい啓発デーに発達障がいについての講演会を実施したくても、団体スタッフや講演参加希望者の多くは障がい児を抱えており、子どもの保育が壁となり実施できない状況でした。そのため、自主事業で講演会をしても参加者が集まらず赤字になるなど、ニーズがあっても1年間に複数回の講演会を企画することはできませんでした。
また、スポーツ事業についても、障がい児を受け入れてくれる指導員は少なく、子どもたちは外出の機会が減り、不健康に陥る障がい児たちが少なくない状況でした。
[活動内容]
・自閉症啓発デーに子連れで参加できる講演会や、夏に保育付き講演会等を実施しました。
・保育は、地元の学生ボランティアが、電車で水族館に連れて行ってくれました。
・スポーツ事業は、水泳とクライミング、登山を行いました。
[活動成果]
<講演会>
・4月 2日 瀬口康昌先生「自閉症スぺクトラム症の理解と支援」参加者数160人
※自閉症啓発デーは子ども連れで参加可能
・6月 4日 小栗正幸先生「配慮が必要な人への対応」参加者数314人
学生ボランティアによる水族館保育は大人気で約30名の子どもが参加しました。また、現役の学校の先生からのご指導や社会人ボランティアの協力もありました。
・7月28日 佐藤暁先生「障がいがあると告げられたとき、親と支援者へのメッセージ」参加者数263人
・8月23日 川上ちひろ先生「発達障がいのある子の性と関係性の教育」参加者数406人
・自閉症協会としては初めて、不登校で発達障がい未診断の子どもを受け入れることができました。
<スポーツ事業>
・クライミング教室(1回)・・・2016年11月18日
・登山教室(4回)・・・・・・・2016年12月29日 金峰山、2017年2月19日 八重山、2017年2月26日 藺牟田池外輪山、2017年5月7日 矢筈岳縦走
・水泳教室(2回)・・・・・・・2017年2月5日、2017年2月12日 ハートピアかごしま(障がい者スポーツ施設)
指導員募集の掲示がうまくいかず。民間のスポーツ施設の水泳指導員には「障害者は教えられない」と断られ、学校の先生と当協会で指導しました。学生ボランティアは体力があり、子どもたちに慕われていました。
[工夫したポイント]
Face bookで広告を初めて行いました。初めてネット集客システムを使ったことで、県外の参加者を呼びこむことができました。
[活動の反省点]
講演会4回・スポーツ事業7回、計11回を実施し、不登校で発達障がい未診断の子どもについても受け入れることができました。障害者団体の名前を隠して、本人に未診断ということがわからないよう配慮を行いました。時間配分が悪いとアンケートにあったため、先生に時間配分をお任せてしてしまいました。なお、FAX配信の効力は、夏の講演会のみであり、離島の学校の先生に夏休み以外で参加していただくことは難しいのかもしれません。また、夏休み中の学生ボランティアの確保も課題となりました。
[今後の課題・展望]
自閉症協会会員になると、情報も簡単に手に入り、学習会やスポーツ事業を続けていただくことができるのですが、親が入会しない理由が、団体名に抵抗があることがアンケートで分かったため、今後は親だけで無く支援者も会員になっていただけるよう啓発活動にも力を入れていきたいと考えています。