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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 うれし野こども図書室』様岩手県 / 助成金額:580,000円

目録贈呈の様子

活動名

陸前高田こども図書館「ちいさいおうち」の運営、発展活動

概要

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高間市において、子どもたちの読書推進を図ることを目的として、こども図書館「ちいさいおうち」の運営・管理をします。図書館活動として、本の貸出業務のほか、子どもと本を繋ぐための催し(専門講師によるわらペ唄あそびの講習、参加型の図書展示など)の開催や、保育所、小・中学校等の訪問(ストーリーテリング、絵本の読み聞かせなど)を行います。

中間報告
図書館で毎日読み聞かせ

中間報告

201709/21

NPO法人 うれし野こども図書室 中間報告(2017年2月17日 現在)

[活動に至る背景]

東日本大震災により市内に唯一の公共図書館が全壊、職員全員を失いました。平成24年に開設した仮設図書館はスペースが狭く、本棚は震災前の1/10以下で、子ども向けの図書はわずかしか置くことができません。「陸前高田こども図書館 ちいさいおうち」は、平成23年11月の開館以降、上記に述べた課題解決のため、児童室の役割を果たすべく活動してきました。現在も子どもたちの充分な読書環境が整っておらず、また子どもたちが安心して過ごせる場所も少ないため、一人でも多くの子どもに心の拠り所となる場所を提供しながら、良い本と出会い、物語世界で心を遊ばせ幸福を味わえる時間を重ねられるよう、子どもとその保護者に寄り添い継続的に支援していく必要があります。

[活動状況]

被災地における子どもたちの読書推進を図るため、「陸前高田こども図書館ちいさいおうち」を運営しています。図書館内には、赤ちゃんから高校生を対象にした質の高い図書を約5,500冊設置し、週5日間開館しました。専門スタッフが常駐し、利用者とのコミュニケーションを大切にしながら、本の貸出、読書案内、読み聞かせを毎日行っています。また、子どもと本を繋ぐための催しとして、親子で楽しむわらべ唄あそびの会、子どもたちも出演するクリスマス会、参加型の図書展示などを行いました。さらに、保育所や学校等へのアウトリーチ(ストーリーテリング、絵本の読み聞かせ、わらべ唄、ブックトーク、講話等)を行い、被災地での子どもたちの読書の裾野を広げています。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

【図書館活動】季節や行事にあわせて様々な展示を開催しました。特に「体」をテーマにした参加型の図書テーマ展示が大好評です。展示本を読む毎に手作りカードにスタンプを押し、特製ボードにシールを貼って参加者全員で生き物の模型を作る取り組みを実施しました。達成感を味わいつつ読書欲が高められ、延べ500冊以上の展示本が読まれました。日々子どもたちと本との出会いを工夫した結果、子どもたちの読書力は豊かに成長しています。利用者1,609名。貸出冊数2,715冊。

【子どもと本を繋ぐ行事の開催】

①「わらべ唄あそびの会」専門家の講師を招き、言葉の響きや伝承の唄の心地よさを親子で楽しみ、会場は笑顔で溢れました。参加者から「家庭でもわらべ唄でよく遊ぶようになった」と感謝の声が多く寄せられました。催しを通して言葉の持つ力に気づき、本を読むことへの興味へと発展しています。参加者31名。

②「手作りバザー」子どもだけが購入できる “こども市”には、物語世界を想像させるスタッフ手作りの品が並びました。地域の現状では困難な子どもの買い物体験ができた点も保護者から好評でした。来場者200名。

③「クリスマス会」影絵劇や絵本の読み聞かせなどを行いました。利用者の子や家族も出演、温もりある催しとなりました。参加者47名。

【アウトリーチ】学校や地域行事等へ出張し、依頼に応じて読み聞かせ等を行い、これらの活動が地域に浸透してきました。計8カ所、延べ受益者482名。

〈反省点〉催しの計画等、早めに準備し取り組みたいです。

  • 図書館で毎日読み聞かせ
  • わらべ唄あそびは 読書の入り口
  • 大人気!読書キャンペーン
  • 自分でお買い物♪ こども市
終了報告
NPO法人 うれし野こども図書室 終了報告の写真

終了報告

201802/10

NPO法人 うれし野こども図書室 終了報告

[解決したかった現状と課題]

陸前高田市は震災で市内唯一の図書館が全壊し、仮設図書館はあるものの、小規模で子どもたちへの充分な読書支援をすることが困難であり、市内には、子どもやその家族が安心して過ごせる場所が未だに少ない状況です。当団体は、一人でも多くの子ども達に心の拠り所となる場所を提供しながら良い本と出会い、物語の世界を味わい、豊かな時間を重ねられるよう、子どもとその保護者に寄り添い支援してきました。

[活動内容]

①こども図書館を週5日開館し、図書の貸出・読書案内・読み聞かせ・レファレンスを行いました。一人ひとりの読書歴を踏まえながら本を紹介したり、一緒に読み合い、信頼関係を築きながら読書の楽しさを伝えました。

②子どもと本を繋ぐ催しとして、クリスマス会、お花見おはなし会、夏の夜のおはなし会などを開催しました。

③保育園、小・中学校、子育て支援センター、地域団体等へおはなし会やわらべ唄のアウトリーチを実施しました。

④新市立図書館の開館準備を補助しました。

[活動成果]

【こども図書館の開館】開館日数249日、利用者数3,067人 

【子どもと本を繋ぐ催し】

①「おはなしのじかん」13回、参加人数65人

②「楽しいわらべうたあそびの会」、参加人数31人

③「ちいさいおうちの手づくりバザー」、参加人数200人

④「クリスマス会」、参加人数47人

⑤「お花見おはなし会」、参加人数57人

⑥「夏の夜のおはなし会」、参加人数38人 

【アウトリーチ/おはなし会、講話】6回、参加人数605人

[工夫したポイント]

図書展示では、参加型の取組みを行い、子どもたちが楽しみつつ積極的に本を手に取るよう工夫をしました。アウトリーチの際には、年齢に応じたおすすめの絵本リストや、わらべうたの楽譜を配布し、家庭での実践を促しました。

[活動の反省点]

行事の内容を深めようと構想期間に時間がかり、開催直前まで準備に追われることが多かったです。もう少し早くから取組み、余裕をもって準備を進めるべきでした。地元スタッフの人数が限られているため、行事等でちょっとしたトラブルが起こった際には、対応が遅れてしまうことがありました。

[今後の課題・展望]

2018年4月以降は、現在のスタッフを中心に、利用者の保護者など地域の方々から有志を募り、ボランティア運営で活動を息長く継続します。被災地域の子どもたちの読書推進を目的とし、活動内容もこれまでと基本的に変わらず、第一にこども図書館を開館し、第二に子どもと本を繋ぐ催しを開催します。本活動を行うことで、読書は子ども達が自分の未来を信じ、困難を乗り越える力を育むことができると考えています。

  • おはなしの会
  • クリスマスの会
  • わらべうたあそびの会
  • 図書館内の日常風景
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