[活動に至る背景]
本プロジェクトは豊島五丁目団地の住民の3割が外国人という事実に鑑み、外国人児童のプラットフォームづくりを目ざしています。当初、小中学校に通う子どもをターゲットにしましたが、 同団地の外国人居住者が急増中で特に未就学児の子どもを抱える母親も増加し、かつ団地コミュニティーに入れていないことが分かりました。そこで小中学生のみならず、未就学児の母親に重点をおき 10月より、公園でチラシを配り「困っていること」をインタビューしながらアジア図書館の認知度を広げていきました。アンケートを通して、小さい子どもを抱えた外国人が特に生活で悩んでいることが分かりました。そこで誰もが立ち寄れる、相談できるプラットフォームづくりを始めました。
[活動状況]
毎週火曜日15時に開催しています。日本語学習では、外国人の親子を対象に仮名の読み方、簡単な日常会話、病院、役所で使う会話、などテーマを決めて行います。 同時に「うさぎとかめ」を参加者全員で朗読しました。他に12月には「木版で絵葉書を作ろう」と「中国の自治活動を聞く」トークショーも開催しました。
毎回、お茶休憩をしながら、スタッフや外国人親子で今後の運営について話し合っています。平時の活動としては、日本文化(生け花、料理)の勉強をしたい希望が多いので、今後イベントなどを開催予定です。また、下記4のイベントへの参加が決まっており、毎回歌の練習を始めることになりました。
現在会員23人(うち子ども11人) 。引き続きアンケート調査を通じて会員を募集します。
[成果(アピールポイント含)と反省点]
外国人の親たちは、 家で子どもの面倒ばかりみて日本語学校に通うこともできず、友達もできず精神的に追い詰められていることが分かった。
(成果)
・彼女や子どもたちが定期的に集まり情報交換や交流をする場を提供できている。 母親たちが片言でも日本語を話せることが未就学児の成長に欠かせない。WeChatというSNSにグループを作り、そこでお知らせや相談事などを対応している。
・団地内の主に高齢者が進んで外国人母子に日本語や生活上のことを教えるという動きもみられる。 地元住民との交流も始まった。
・地域社会への参加。3月19日に東洋大学赤羽キャンパス開講ウェルカムパーティー「留学生と北区民との交流会」に運営スタッフとして参加。6月10日に北区「おちゃのこ祭祭」で中国語と日本語の歌を発表する。本来、地域参加はプロジェクト2年目から開催予定だったが、すでに活動を始めることができた。また商店街が主催する子どものイベントにもオファーがきており、外国人児童の参加を積極的に促している。このように地域参加への取り組みは少しずつ進んでいる。
(反省点)
活動の中心が 外国人未就学児の親子になり、当初の予定であった外国人就学児の参加者は1人にとどまっている。これは、当初見積もっていた外国人就学児がトラブルなどでプロジェクト開始時にはいなくなっていたことによる。今後は就学児への積極的な広報活動が必要である。