[解決したかった現状と課題]
私たちは、過去5年間で2万件の相談と面談・同行・生活支援によって、母子家庭や生活困難な人を自立させた。特に、働き盛りの40代が心の病に苦しむ人が多く、幼少期に様々なストレス・パニックを受け発症している。また、成人になっても社会に適用 できずに「うつ病」を患う人が多く、心の病は、成人になるほどその回復が難しく、幼少期からの対応が重要であることから、子どもらの居場所づくりを始めた。
[活動内容]
子どもや親の悩みに対する24時間無料電話相談と同行・面談・生活必需品支援活動を展開した。また、様々な媒体を活用し、広く余剰食品や生活物資の提供を呼び掛けて受け取り、生活困難者やこども食堂に再利用するなど、子ども応援リレー(フードバンク)を県内で展開しました。その食材を利用しての信州こども食堂は、学校や家庭でない、第三の居場所として地域のコミュニティの場としての広がりを見せている。
[活動成果]
電話相談は837名、面談・同行支援284回、フードバンクでの食料・物資支援86回、寄贈品受け取り120回、フードドライブ約2,000点、特に地域のふれあいの「こども食堂」は、信州こども食堂ネットワークを設置したことにより、県下各地に拡がり地域の特色を活かした。多様性のある「信州こども食堂&学習支援」は、県内45カ所、参加者約子ども6,000名、大人7,000名の合計13,000人が参加した。
[工夫したポイント]
寂しい・孤食な相談者には最寄りのこども食堂で食べることで信頼関係が出来た。子どもにとって「みんなで家庭の雰囲気」と楽しさを味わい、食物の大切さを理解し社会的な視野を身につける工夫をした。
[活動の反省点]
こども食堂は「貧困対策・困窮支援」などのイメージがあり、来たくても来られないなどの声が聞かれた。心の貧困・見えない貧困が生まれている現実もあり、地域に開かれた「誰でも気軽に来られる居場所」としての定着を図ることや、子どもの成長へ寄与することはすぐに結果が見えることではないので、時流に乗った一時のブームで終わることなく長く続けていかなければならないため、サポートが必要であった。
[今後の課題・展望]
ケーススタディーの回数を重ねることにより、より充実し実状に即した質の高い内容を提供することが可能になり、利用者のニーズをより正確に把握することで活動が定着し効率的・効果的な運営を図る。また、将来的な広がりとして、「こども食堂」を体験して育った子どもが成長し、年下の子ども、地域の高齢者を支援していける力がつき、活動を途切れることなく続けることで、信州地域に活力が生まれることを期待する。