[解決したかった現状と課題]
当法人に寄せられるDV、夫婦関係、家族間の相談の中には、必ずと言えるほど子どもの問題が含まれている。生き難さを抱えたまま成人した子どものカウンセリングからは、やはり親との関係(虐待 性暴力 面前DV)が見えてくる。心に傷を抱え必死に生きる母子へ、総合的にケアと支援ができる相談員の養成が急務であると痛感している。手厚い支援による暴力の世代間連鎖を止めることで、子どもの安全・安心を守る社会にしたい。
[活動内容]
1.啓発、公開講座の開催
2.支援者養成連続8回講座→①子どもと女性のためのケアと相談支援、②フェミニストカウンセリング相談とケア支援の実際、③子どもへの暴力と親への支援、④DVに曝された子どもと母親へのコンカレント(同時並行)支援、➄子どもへの性暴力とその影響、⑥(公開講座)児童生徒への性暴力防止教育、➆家族の中の暴力(DV・虐待・性暴力)~法律の現場から~、⑧子どもと女性へのメンタルヘルスケア
[活動成果]
2016年12月啓発講座、2017年3月~6月連続8回講座を実施(30名)。受講生の半数以上(17名)が全講座を完了し修了証を授与した。各回平均出席率は86%、アンケート回収率は86.1%。受講生の9割が子どもや女性への支援に携わっており、男性参加者からはDVに対する認識が変わったという声が聴けた。また、フォローアップの希望が高い。結果、ボランティアスタッフ希望4名、実践講座補助スタッフ希望7名を得た。
[工夫したポイント]
①12月講演会の参加者へ連続講座を告知。
②長岡市の広報システムをフル活用(ポータルサイト、Twitter、Facebook、各紙プレスリリース)
③講座は座学とグループワークで展開し学びを深める構成にした。
[活動の反省点]
・12月開催の公開講座…降雪地域であり冬場開催は集客が天候に左右される点を考慮すべきだった。
・5月開催の公開講座…『児童生徒への性暴力防止教育』は事前の問合せがあり公開講座としたが、開催時期と曜日の設定に工夫が必要だった。(運動会や遠足の時期を外す、平日開催にする等)
[今後の課題・展望]
①養成した人材の実践の場の提供→コンカレントプログラムファシリテーターとして登用。
②支援者の資質向上の必要性→フォローアップ講座の開催。
③当事者支援体制の拡充と充実→DV、虐待被害者への個人カウンセリングの提供。
④当事者グループの継続的支援→年間プログラムの開発と人材確保。