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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 プラス・エデュケート』様愛知県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

外国にルーツを持ち高校進学を希望する子どもへの学習支援事業

概要

愛知県は全国で日本語指導が必要な児童生徒数が一番多い県であり、私たちが活動している豊明市も多くの外国人が住んでいます。近年は定住化も進み、外国にルーツをもつ子どものほとんどが高校進学を望むようになりましたが、困難な状況にある子どもが多数存在しています。今回の活動をとおして、そのような子どもたちに、日本語と数学・英語を中心とした学習サポートを行い、高校進学につなげていきます。

中間報告
漢字の基礎から

中間報告

201709/21

NPO法人 プラス・エデュケート 中間報告(2017年2月13日 現在)

[活動に至る背景]

愛知県は数年前から日本語指導を必要とする児童生徒数が全国1位であり、2位以下を大きく引き離している。また彼らの多くが定住することが予測されるため、日常会話程度の日本語指導から進学・就職へつなげるための指導が必要とされている。私たちが活動している豊明市とその周辺にも進学希望の外国籍生徒が多く存在し、かつ学習塾代は出せないという家庭の子ども達の支援が必要とされている。支援の中身についても、日本語(漢字)指導、進学相談・指導、基礎学習など様々なものが期待されている。そのため、今回豊明市とその周辺地域の中学生を対象とした学習支援教室を行うことにした。

[活動状況]

7月末から広報をはじめ、近隣の学校に文書または電話で案内を始めた。エリアとしては豊明市・知立市・豊田市南部である。9月の初めにはほぼ予定通りの20名でスタートできた。国籍もブラジル・ペルー・フィリピン・中国と多岐にわたった。実際に指導を始めてみると、予想以上に学力差が顕著であった。たとえば、来日歴は長くても、小学生レベルの漢字がほとんど読めない、分数ができないだけでなく正負の計算もあやふやで、まったく1人での学習ができない。さらには、「学習支援」と広報していたのに「日本語がほとんどわからない」という子どもまで集まってしまった。そのためスタッフ同士が連携をとり、指導を続けている。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

まず、20名でのスタートができたことはよかったが、そのメンバーは日本語理解力や学力にも差があり、思った以上に「個別対応」が必要だった。そこで週に1回の支援なので、取り組む教科をしぼることにした。毎回やることを変えていては成果が出ないと考え、教科ごとでのグループ指導を始めた。ただスタッフの数が足りず、日本語理解レベルがかなり低い子どもにとっては、手厚い指導ができなかったため、途中で「退室」となるケースがあった。また、入試の現状を知ったことなどで、帰国の決断をしたり、学習への意欲を失ってしまうケースもあった。しかし、今まで続けた子どもは成果を上げることができ、2017年2月現在で、在籍生徒は15名、うち3名は私立高校と専門学校への進学が決まった。あと3名はこれから行われる公立高校入試に臨むこととなった。さらに、中学1・2年生については、彼らの姿を間近に見ることで、進学への意識が高まってきたようだ。それ以外にも、学校の先生と連携を深めることで、お互いの理解が深まった。一方で反省点としては、もう少しスタッフの数を確保できればよかったと思う。ただ、日本語理解が低い子どもにどうやって説明したらいいのかがわからないという意見もあり、未経験者(ボランティア)にやってもらうことにも難しさを感じている。

  • 漢字の基礎から
  • 定期テスト前は大教室で
  • 面接練習直前
終了報告
NPO法人 プラス・エデュケート 終了報告の写真

終了報告

201801/30

NPO法人 プラス・エデュケート 終了報告

[解決したかった現状と課題]

愛知県は、日本語指導が必要な外国人児童生徒数が全国1位である。もちろん、愛知県では「日本語が全くわからない子どもへの日本語指導」体制は大方整っている。しかし、定住化が進んでいる現在では、進学・就職といったその先の支援が必要とされている。来日時期が高学年以上の場合、学習言語の習得に困難を抱えていることが多く、高校受験は非常に高い壁となっており、そのような子どもへの支援は十分だとはいえない。

[活動内容]

まず、活動拠点である豊明市とその近隣自治体の学校に広報し、「高校へ行きたいと考えている子ども」の状況把握に努めた。その結果、地理的な状況も鑑み、知立市と豊田市・刈谷市などから、該当する子どもたちへの支援を始めることとした。内容は、基礎学力の定着を目標とし、数学・英語・国語(面接を含む)の3教科にすることにした。

[活動成果]

実施期間と回数:2016年9月~2017年3月までとし、実施回数は、25回。

時間:毎週月曜日(17時~19時30分)

参加人数:22名

国籍:ブラジル8人・フィリピン6人・中国1人・ペルー6人・トルコ1人

高校合格者:全日制6人・中間定時制1人・専門学校2人

この活動を行ったおかげで、6名が全日制高校に進学できることとなった。

 

[工夫したポイント]

基礎教科支援をする子どもには、伸ばしたい教科を決め、それを学習することにした。計算と単語・文法理解を中心にすることで、基礎を固めることとし、単語帳を作らせたり、宿題を出したりして定着を図るようにした。

[活動の反省点]

この活動成果として、22名の支援ができたことは良かった。しかし、子どもの中には、日常会話程度の日本語力があるにもかかわらず、基礎学力の指導が必要な子どもと、それすらない子どもがおり、講師の配置の面で十分な体制がとれなかったため、途中で退室してしまった子どももいた。講師の手配ができたとしても、週1回の指導では十分な日本語力をつけてあげることは難しかっただろう。彼らの支援が多様になることを改めて痛感した。

[今後の課題・展望]

支援を受けた子どもたちは、理解できることに喜びを感じたようだった。また、全員が高校進学希望者であったため、実際に高校に合格した先輩をみて、あらたにやる気が生まれた子どももいた。今後も、このような教室を継続して開きたいと考えているが、指導者の確保と事業を継続するために、人数制限をしたうえで、経費負担をお願いしていきたいと考えている。

  • 漢字テスト
  • 合格おめでとう
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