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ドコモ市民活動団体助成事業

公募による市民活動団体への活動資金の助成事業

Activity Report

『NPO法人 ふくい科学学園』様福井県 / 助成金額:500,000円

目録贈呈の様子

活動名

青少年弱者のための科学実験教育モデル事業

概要

科学実験を通じて感動を与えることは、青少年弱者に生きる喜び・勇気を呼び起こすことに繋がります。当団体がこれまで開発してきた科学実験の内容を分析検討し、知的障がい児童、および不登校児童に適した実験カリキュラムを構成します。実際の実験は、当団体の高齢者等ボランティアグループが担当し、他の団体・学校に出向いて出前形式で行い事業の最後に、本活動に関わった全員が参加し、発表会を行い、実験を広く情報発信します。

中間報告
紙パイプでコロの実験

中間報告

201709/21

NPO法人 ふくい科学学園 中間報告(2017年2月5日 現在)

[活動に至る背景]

NPOふくい科学学園は平成21年に設立され、主に小学校高学年を対象に体験型実験教室を定期的に開催してきた。一方、平成24年度には知的障がい児童・生徒をサポートする団体と協働でイベント「体で科学を感じよう!」を実施した。これは、現在特別支援学校や、特別支援学級のカリキュラムに理科実験は重要視されていないこと、また、保護者の気持ちとして、これら児童にも科学実験を体験させたいとの思いがあったためである。 我々は科学実験が、スポーツ、絵画、音楽などと同様に、障がい児童や不登校児童等にとって有効な教育的手段であると推測しているが、これを実証するために、モデル事業を構想し、28年度のNTTドコモ市民活動助成事業に応募した。

[活動状況]

1)平成28年9月21日、不登校児童・生徒の適応支援教室(鯖江チャイルドセンター)において、実験教室「光の実験」を開催した。参加児童・生徒9名。

2)平成28年11月1日、特別支援学校(福井大学教育学部附属)において、実験教室「まさつのない装置で運動の実験」を開催した。参加児童・生徒 34名。

3)平成28年12月20日、不登校児童・生徒の適応指導教室(大野市フレッシュハウス)において、実験教室「「まさつのない装置で運動の実験」を開催した。参加児童・生徒4名。

4)平成29年1月21日、特別支援学校(福井大学教育学部附属)において、一般募集にて、実験教室

「シャボン玉と人工雪実験」を開催した、参加児童・生徒25名。

[成果(アピールポイント含)と反省点]

1)知的障がい児童・生徒や不登校児童・生徒を対象にした科学実験教育に関する研究は、これまでほとんどなされていないが、今回のモデル事業において、その重要性と、あるべき方向を示すことができた。即ち、一般の学校教育における理科教育(科学教育)とは異なる視点で実験テーマの選択がなされるとともに、実施する実験内容と展開方法においてもこれら児童・生徒の個々の能力や障がい特性、および精神面を中心とした心身の状態を十分考慮して行うことが必要であること、またそうすることによって、科学実験はこれらの子どもたちにとって、楽しく感動的で、かつ論理的思考を訓練する格好の場であることを確認することができた。

2)本事業においては、実験に使用する装置・器具の大半は、高齢者グループ等の手作りによるものであり、心のこもった実験器具で児童・生徒に実験を楽しんでもらうことができた。

3)本事業に関して、地域の新聞が取材し、これまで4回記事が掲載された。

4)本事業においては、福井県内のいろいろな関係機関から委員を派遣して頂き、全体会議を構成して、事業の計画・評価を行っており、開かれた事業運営を実施している。

5)反省点:通常の児童・生徒と異なり、知的障がい児童・生徒、および不登校児童・生徒は、いわば“弱者”の立場にあるため、こちらからの情報伝達が容易でないことや、体験活動の様子を映像に収める場合などで問題があり、いかに対処すべきか、今後検討が必要である。

  • 紙パイプでコロの実験
  • 微小ビーズを用いた摩擦のない装置で実験
  • シャボン玉の色を見る実験
終了報告
NPO法人 ふくい科学学園 終了報告の写真

終了報告

201802/10

NPO法人 ふくい科学学園 終了報告

[解決したかった現状と課題]

現在、特別支援学校や、特別支援学級のカリキュラムにおいて理科実験はあまり重要視されていない。また、不登校児童に対しても有効な教育カリキュラムが見出されていないのが現状である。我々は科学実験が、スポーツ、絵画、音楽などと同様に、障がい児童や不登校児童等にとって有効な教育的手段であると考え、科学実験を通じて感動や喜びを与え、児童の生きる力を高める事をねらい、本事業を提案した。

[活動内容]

1)実験教材の開発:色鮮やかな現象や、変化に富んだ動く現象に児童が自ら触れ、論理的思考が芽生え、発展するように実験内容を吟味し実験プログラムを開発した。                                      2)体験型実験教室の開催:特別支援学校、適応学校(教室)児童・生徒に対して実験教室を開催した。          3)全体会議形式の運営:事業を広く知ってもらい、かつ助言を受けるために、福井県内のいろいろな関係機関から委員を派遣していただき、事業の計画・評価を行った。

[活動成果]

1)支援学校:2回、参加数:135人

2)適応学校:4回、参加数:41人

3)一般公開(知的障がい児童・生徒対象):2回、参加人数:76人

4)実験教材の寄贈:実験教室を実施した学校・教室に実験器具を寄贈

5)地域の新聞に掲載: 日刊県民福井 2回、 朝日(福井版) 2回

6)実施報告書冊子:全40ページ

7)DVD作成:(第8回を14分間の映像にまとめ科学映像館より公開)

8)実験テキスト公開

[工夫ポイント]

1)出前形式と一般公開の2つの方法を採用したため、相応の参加人数が確保できた。

2)実験器具は当団体で開発・製作したもので、心のこもった手作り実験器具を用いたことで、児童・生徒が親しみを感じた。

[活動の反省点]

1)実施する実験内容と展開において、児童・生徒の個々の能力や障がい特性、および精神面を十分考慮して行うことが一層重要である。

2)支援学級等に出向いての体験型実験を提案したが、実現できなかった。教育行政と教育関係NPOとの効果的な連携は今後の課題である。

3)体験活動の様子を映像に収めることは、大部分の児童・生徒の場合問題があり、実践活動実績を蓄積・展開する上で困難さがある。

[今後の課題・展望]

1)実験教材の開発:今回の事業では 「まさつのない運動の実験」、「シャボン玉の実験」、および「空気砲の実験」を開発したが、今後も、一般の学校教育における理科教育(科学教育)とは異なる視点で実験テーマの選択、および実験実施方法の開発を続ける。

2)普及活動:科学実験は、楽しく感動的で、かつ論理的思考を訓練する格好の場であることを、より多くの人々に知ってもらうため、県内、県外で実践活動を行う。

  • 空気砲を楽しむ児童・生徒
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