[解決したかった現状と課題]
地域の特別支援学校では、全ての子どもが放課後のクラブ活動に参加できないという現状で、多くの子ども達は、放課後、家族と過ごすか、障がい児通所支援事業放課後等デイサービスを利用して過ごしています。ただ、放課後等デイサービスでは、同じ年代の友だちと楽しんで過ごせないということもあり、地域では、障がい児も普通の学生のように、放課後、同じ年代の友だちと有意義な時間を過ごすためのクラブ活動の場が求められてきました。
[活動内容]
手をつなぐスポレク事業では、放課後の余暇活動と友だちや地域のつながりの場として、野洲養護学校に通う中学部と高等部の子ども達が参加できる、スポーツやレクリエーションを中心とした「ピースクラブ」の活動を野洲養護学校の体育館で実施し、また、スポーツを通して、地域の人や友だちと一緒に楽しく体を動かせるつながりの場として、音楽体操やダンス、ニュースポーツの体験など親子参加のスポレク広場を開催しています。
[活動成果]
・放課後の「ピースクラブ」は毎月1回、計10回実施しました。総計55名の中高生が参加し、友だちと元気に体を動かしました。これまでの活動で子どもたちは、ただ参加するだけではなく、自分で役割を見つけながら活動に参加したり、クラブの友だちを思いやる姿も見られ、子ども達の成長する姿を微笑ましく思いました。
・休日のスポレク広場は、3回開催し、54名の参加がありました。地域の人や障がい児者の親子が集い、つながりの場となりました。
[工夫したポイント]
子ども達が楽しく活動に参加できるよう、単純なルールで結果がはっきりわかるボーリングや、巨大オセロゲームを毎回活動に取り入れました。また、レクレエーションだけでなく、少し頑張って本格的なスポーツにも挑戦しました。
[活動の反省点]
対象の障がい児や保護者に活動の内容が伝わらず、なかなか新規の参加が増えませんでした。
[今後の課題・展望]
放課後のクラブ活動として、子どもや保護者、学校の先生方に知ってもらうことができました。活動に参加した子どもの保護者から「子どもが毎月楽しみにしていて、とても喜んでいます。普通の中高生と同じようにクラブ活動の体験をさせてあげることができて、本当に良かったです」と感想をいただきました。今後も、障がいがあってもクラブ活動に参加し、仲間と一緒に生き生きと活動できる場として、長く続けていきたいと考えています。