[活動に至る背景]
高知県は共働きの家庭が多いが、それが経済的余裕には結びついていない現状がある。経済的理由から、文化的なイベントに参加する機会に恵まれない子どもたちは多い。
放課後、両親が帰宅するまでの時間を児童クラブで過ごす子どももいるが、定員等の問題からすべての子どもが受け入れるわけではない。また、国立の小学校では児童クラブは実施されてはおらず、これらの子は、家族が帰宅するまで、家で一人で過している。すべての人に開かれている図書館の利点を活かし、子どもたちの居場所の提供や親子を対象としたイベントなどを実施することにした。放課後の子どもたちへの対応のため、理事や有償のボランティアの配置を行うことにした。
[活動状況]
・週2回の放課後の3時間、有償ボランティア等で図書館に訪れた子どもたちの見守りや遊びの相手、読み聞かせなどを実施。
・毎月第一土曜日にこども折り紙教室を開催。9月~1月の参加者は計77名。
・毎月最終水曜日に乳幼児と保護者を対象としたわらべ歌遊びや読み聞かせの会「くすくす広場」を実施。講師は元保育士の方。9月~1月の参加者は計75名。
・妊婦さんとその家族を対象に、子育てと絵本についてや、ごく小さい人に読むのに適した絵本の紹介「ちいさいたね」を9月~11月に3回実施。参加者は計22名。
・地元の音楽家の方による演奏と本の読みきかせのコラボ企画「本とともだちコンサート~11ぴきのねこ~」を12月11日に開催。参加者62名。
[成果(アピールポイント含)と反省点]
・放課後、家に帰ってからでないと他施設に寄ることを禁じている学校がある。図書館に来ることについて、保護者や学校の理解を頂くことが必要である。学校の代休日に大勢の子どもが図書館で過ごすこと何度かあり、それに合わせ人員の配置を臨機応変に対応している。
・こども折り紙教室には子どもたちだけでなく、近隣に住む高齢者方の参加もある。子どもたちが自然と地域の方と知り合う機会や交流の場にもなっている。
・くすくす広場は、わらべ歌や絵本を親子で楽しむとともに、赤ちゃんを連れて気兼ねなく外出を楽しむことのできない母親の憩いの場にもなっている。
・「ちいさいたね」は3回連続講座として設定した。各回それぞれ好評であったが、3回連続の参加は少なかった。妊婦の方の状況と、こちらの講座内容にずれがあるのではないかと考え、内容や実施時間、広報の方法等について再検討した。この反省をもとに今後、内容等を改めた講座を実施予定である。
・「本とともだちコンサート」は、低料金(3歳未満無料、3歳~中学生100円、大人500円)で本格的なコンサートを楽しむことができると好評である。子どもたちが飽きずに生の音楽を楽しんでもらうため、演奏者の協力と詳細な打合せが必要である。幅広いジャンルの音楽を楽しんでもらえるよう、取り組みたい。
参加者の少ないものもあるが、活動の全般を通じて、多くの方たちに安心安全な子どもの居場所として、図書館が周知されてきた。