[解決したかった現状と課題]
児童虐待件数はついに12万件に達し、大きな社会問題となっています。厚生労働省は、児童虐待などにより親と暮らせない子どもの「社会的養護」を、児童養護施設や乳児院から里親制度へ全面的にシフトしました。子どもの対応に悩んでいる里親に親教育プログラムを実施することで、里親としての自信と、子どもとの良い関係が築かれる可能性が高まり、養護された子ども自身が社会に適応し、自己管理ができるようになることをめざします。
[活動内容]
宮崎県内の里親、里親を希望する方、里親支援者向けに「ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング幼児版(以下、CSP)」の連続講座(8回)とフォローアップ研修(2回)の全10回講座を、2016年9月スタートと2017年5月スタートの2クール開催しました。宮崎市内の社会福祉法人カリタスの園竹の寮で、CSP幼児版上級指導者である竹の寮の職員が講師となり実施しました。
[活動成果]
第1回 CSP幼児版8回講座 2016年9月29日~12月1日
・フォローアップ研修2回 2017年1月16日、2月16日、参加者:大人47名、子ども1名、保育児11名
第2回 CSP幼児版8回講座 2017年5月11日~6月29日
・フォローアップ研修2回 2017年7月4日、9月11日、参加者:大人55名、子ども1名(8月は夏休みで会場が利用できず、9月11日に実施)
[工夫したポイント]
幼児のいる里親のために保育を行い、欠席した内容は時間を設けて補講を行いました。また、連続講座の期間中にCSP幼児版初級指導者養成講座を開催し、講座参加者にCSP指導者になってもらうことができました。
[活動の反省点]
宮崎県に講座の後援と里親支援者への広報、里親に関わっている団体にはチラシの配布を依頼し、さらにWEBで講座開催のお知らせを行いましたが、里親や里親支援者に周知することは大変でした。また、1回目と2回目の講座参加者が交流する時間や機会を設けることで、宮崎県内の里親や里親支援者が継続的にCSPを用いていくための仲間を作れたのではないかと思いました。
[今後の課題・展望]
現在、宮崎県内には県北、県央、県南と里親の組織がありますが、公共交通や道路の関係で宮崎市内まで2時間以上かかるところもあります。その3地域それぞれで、里親向けのCSP幼児版の連続講座を開催し、里親が継続的に家庭でCSPを用いることができるようにフォローアップを行っていくことが必要です。そうすることで、里親同士がCSPを用いて子どもとの関係や子どもの変化等を共有する場所を作っていくことができると考えています。