[解決したかった現状と課題]
フリースクールに通う生徒たちは、同世代や大人たちとのコミュニケーションを図る機会が少なく、またその能力を試す場所もない。学習以外でも将来に向けた技能スキルを一つでも身につけるための機会の提供が必要とされる。また、学校に戻りたくても、教室などその雰囲気に馴染めずに行けない生徒もいる。そんな生徒のために実際の学校で教室授業の雰囲気を作るなどの、学校に戻れる機会づくりも必要である。
[活動内容]
・スキルアップカフェ:地域や教育関係者、NPOなどフリースクール協力者となる社会人グループを招き、生徒が自ら考案したメニューの買い物いや調理を行い、もてなしながら会話をすすめるコミュニケーション力の向上を図った。
・学校復帰体験:夏と春休みの2期に学校施設を活用して、教室での勉強の雰囲気や、先生との対面で緊張感を味わう、学校復帰にむけたカリキュラムを提供した。また、他地域のフリースクール交流体験も実施した。
[活動成果]
・スキルアップカフェ:実施回数20回、述べ383人が参加、場所:フリースクールおよび公民館
・学校復帰体験春休み:平成29年3月26日(月)27日(火)28日(水)、場所:佐伯市立直川中学校
・学校復帰体験夏休み:平成29年8月9日(水)~10日(木)、場所:大分市立上野ヶ丘中学校
・福岡県行橋市・福岡市のフリースクールとの体験交流会:平成29年7月13日(木)
[工夫したポイント]
学校復帰体験は、教育委員会に相談したり協力してくれる校長先生に掛け合い、実際の校舎を借りることが実現した。また、授業自体も学校のカリキュラムにあわせ、現役の教員の方に協力していただくことができた。
[活動の反省点]
・スキルアップカフェは、生徒の体調や通学の状況により少数になったり、定例的に実施できなかった部分があった。
・学校復帰体験では、教育委員会の後援承認が遅れたり、県・大分市・佐伯市など行政の適応指導教室に通う生徒に参加の呼びかけを行ったが、参加が思わしくなく、もっと早期に信頼関係を築き対応すべきだった。春休みの開催は気候的に良かったが、夏休みの開催は猛暑が続き、生徒の健康管理・熱中症対策も必要であった。
[今後の課題・展望]
・スキルアップカフェについては、生徒のやりがいにつながり、参加者から好評を得ているので、寄付をもらいながらでも毎月1回程度行えるよう調整し、実施していきたい。
・学校復帰体験は、会場確保と先生の確保がやはり課題となる。しかしながら、今回協力してくれた先生の方々が「この取組はすごくいいし、楽しい!」と言ってくれており、その方々とネットワークを組み、参加費をもらう仕組みを継続していきたい。