[活動に至る背景]
海外の先進諸国においては法的に規制され、犯罪行為として処罰される性的搾取事案が、現在の日本においては未だ犯罪と認識されていない現況があります。政府は、性的搾取の一形態である「児童買春・児童ポルノ」に対する取組強化を始めていますが、未だ、JKビジネスに代表される子どもの性の商品化に対する社会の認識は高いとは言えず、可視化されない被害者を生み出しています。
本問題の啓発や抑止にあたり、言葉や文字だけではなく、具体的な映像を用いた啓発ツールを制作し、このような「児童買春」「児童ポルノの製造、販売、購入」という行為の裏にある現状を知ってもらうことが、抑止に繋がる有効な一つの手段であると考えました。
[活動状況]
現在、団体内の関係者で、動画内容の骨子を検討しております。具体的なストーリーを構成するにあたり、当団に実際に入っている相談事例をいくつかピックアップし、それらの相談ケースを元に大まかなストーリーを考え始めています。また、海外で制作された参考となる反児童買春・児童ポルノの動画なども探しています。
併せて、前年度助成にて制作させていただいた動画制作会社や社会貢献プラットフォームの関係者とも、電話およびメールによる意見交換を開始しています。
[成果(アピールポイント含)と反省点]
今回の助成事業が動画の制作であり、現時点ではお見せできるものがないのですが、JKビジネスをはじめとする本問題の裏側にある現実を映像により可視化し、視聴者が自らの頭と心で考え、自身がどのような行動をとるべきなのか、最終的には罰則等の他律ではなく、良心と良識に基づいた自律により、これらの被害が根絶されることを願っています。
前回助成で制作させていただいた動画(アダルトビデオ出演強要被害に関する啓発動画)については、渋谷区からの協賛を受け、2016年10月1日より2017年3月末まで、JR渋谷駅ハチ公口エリアおよび区内にある12カ所の街頭ビジョンにて、ランダムに放映されております。今回制作する動画も同様に渋谷区や警察機関、内閣府などとも協力し、行政機関の媒体を利用した配信を検討してまいります。
本問題の解決については、行政との協働が不可欠と考えています。既に、児童買春・児童ポルノについては、警察、内閣府主催の「児童買春・児童ポルノ排除対策推進シンポジウム」において、当団代表がパネリストとして登壇し、本問題に関する有識者ヒアリングなども関係省庁から受けていることから、今回制作する動画についても、政府機関との連携の一助として使用していきたいと考えています。
また反省と今後の展望として、前回以上に広く拡散されるよう、より多くの協力団体や協力機関などのWEBサイトにリンクさせていただくことなども、検討していく予定です。