小林氏は、環境音情報から野生動物センサを遠隔制御できる生態学的コンテキストを発見し、インフラ未整備の環境下において野生動物の行動を計測するシステムを構築してきた。
福島第一原発事故後の立入禁止区域内において、電源の持続困難性などの諸課題があり、情報空間と生態系を一体化して把握することが困難だったところ、氏はセンサ技術、空間情報科学、深層学習、獣医学的知見を統合し、高度に学際的な観察手法を確立した。環境問題にアプローチする際、従来は十分に観測できなかった動物の活動生態系を情報空間に組み込み、情報学と生態学を分かちがたく一体化する意義は大きい。環境問題への情報科学の新たな貢献、新たなアプローチを展開している。
研究成果は環境行政のみならず情報デザイン分野にもインパクトを及ぼし、今後更なる波及効果、社会・産業への将来的影響が大きいものと考えられる。ネパールにおける野生動物関連犯罪対策への応用に加え、学会活動・留学生支援などの社会的貢献も特記すべきである。
優秀賞情報通信技術の導入が困難なインフラ圏外空間を対象とした情報デザインとIoTの研究
授賞理由
小林氏は、環境音情報から野生動物センサを遠隔制御できる生態学的コンテキストを発見し、インフラ未整備の環境下において野生動物の行動を計測するシステムを構築してきた。
福島第一原発事故後の立入禁止区域内において、電源の持続困難性などの諸課題があり、情報空間と生態系を一体化して把握することが困難だったところ、氏はセンサ技術、空間情報科学、深層学習、獣医学的知見を統合し、高度に学際的な観察手法を確立した。環境問題にアプローチする際、従来は十分に観測できなかった動物の活動生態系を情報空間に組み込み、情報学と生態学を分かちがたく一体化する意義は大きい。環境問題への情報科学の新たな貢献、新たなアプローチを展開している。
研究成果は環境行政のみならず情報デザイン分野にもインパクトを及ぼし、今後更なる波及効果、社会・産業への将来的影響が大きいものと考えられる。ネパールにおける野生動物関連犯罪対策への応用に加え、学会活動・留学生支援などの社会的貢献も特記すべきである。
受賞の言葉
この度は栄えある賞を賜りまして、身に余る光栄でございます。審査いただいた先生方に心より御礼申し上げます。趣味として始めた活動ですので、そもそも研究として成り立つかどうかもわからず手探りで続けて参りました。今回の受賞を励みに、この研究を発展させ、新しい社会創造へ繋げていけるよう努力を続けたいと思います。