受賞者・授賞式Winner / Ceremony
第19回(2020年)

このたび、「第19回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた、21件の研究業績の中から、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の受賞者を決定しましたので発表いたします。
なお、今年度の授賞式につきましては、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から中止いたしました。
ドコモ・モバイル・サイエンス賞
移動通信・情報通信の研究開発等の業績に対する褒賞事業
このたび、「第19回ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の3部門に応募いただいた、21件の研究業績の中から、「先端技術部門」「基礎科学部門」「社会科学部門」の受賞者を決定しましたので発表いたします。
なお、今年度の授賞式につきましては、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から中止いたしました。
優秀賞情報通信分野における法制度設計およびその政策への応用
授賞理由
林氏は、情報通信市場における競争政策、またその基礎となる法制度の研究に取り組んできた。海外の巨大プラットフォーム台頭、それらに対する規制など、国際的に様々な動きがあり、現在大いに注目される分野である。
林氏は、情報通信に関連する法分野の大半にわたって広範・膨大な業績を挙げており高い評価を得ている。一例として、電気通信事業法の改正経緯をオーラルヒストリーの手法を用いて調査し精緻な分析を行った『オーラルヒストリー電気通信事業法』は、史料として非常に価値ある成果である。一方、AI・ビッグデータ時代の競争法のあり方に関する論文では、日本における議論状況を正確に紹介しつつ、先端的情報通信技術の台頭する現代の競争法の役割につき論じ、競争法分野の国際的トップジャーナルに掲載された。
情報通信政策の実証的評価の意味で、経済学等、他分野の研究者との共同研究にも積極的である。学問的功績に留まらず、情報通信政策への関与、各種提言、学会活動等を通じた社会貢献も多大である。
受賞の言葉
情報通信法制研究は、学際的、国際的、かつ先端的な学問領域であり、私自身もこれまで、主に競争法・政策の観点から、多くの共同研究を通じて、情報通信そのものに限らず、プラットフォームやAI、知的財産の問題等、幅広く研究対象に取り上げてきた。今回、評価点の一つとして、電気通信事業法の歴史研究に関する業績にも光を当てていただいたことは、個別業法の制定史という非常に地味なテーマだけに、大変ありがたいと思っている。今回の受賞を励みに、さらに精進を重ねていきたい。